2013/10/05 ぬくもりの時間

*Calend Okinawaに連載していた田原あゆみの「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち

Shoka

 

 

沖縄の気候にウールの敷物は合わない。
去年の夏まで私はそう思い込んでいた。

 

つやつやのウールがもしゃもしゃと織り込まれたお気に入りの中近東の絨毯を持っているのだけれど、その観念が邪魔をして、中々敷く機会がなかったのだ。
Shoka:でお話会がある時に押し入れの奥から引っ張りだして使ったりする時以外は、春夏秋と押し入れの中で出番を待っていた私のかわいそうな絨毯。

 

去年の8月に開催した「赤木智子の生活道具店」の企画準備の時に、「ギャラリーONOのガベ」が展示品の中に入っていることを確認した。
その時の私の反応は、「え?沖縄でガベ(ギャベ)??」
ウールの絨毯はちょっと使えないんじゃないかな?好きだけど・・・。
と、乗り気ではなかった。

 

展示はしたいけれど、人気がなかったらギャラリーONOの小野さんに悪いなあ。
そう思った私は赤木智子さんへそのことを相談した。
その時に、ギャベの織られている地域の一日の平均気温差は40℃もあり、そのためそこのウールは暑い時には放熱してひんやりと、寒い時には保温して暖をとれるような特性を持っていることを知った。

 

Shoka

 

 

こちらは昨日の企画展初日に旅立って行った、トルコのBERBER(ベルベル)と呼ばれる絨毯。
同じく、夏の暑い時にはさらっとしていて、冬はぽかぽかとぬくもりがあるいう特性を持っている。

 

ギャベは、手紡ぎの羊毛を草木染めしたあと織った絨毯で、おおらかにざっくりと織られているのが特徴だ。
また、油膜が毛を保護しているため、汚れにくく、お手入れが簡単なことからこの20年の間に人気が出たのだ。

 

そんなギャベの特性を知ってから、私は安心して生活道具店のギャベを迎え入れたのだった。

 

しかも、日本に初めてギャベを持ってきたギャラリーONOの小野さんが選んだギャベたちは、どれもこれも魅力的で、空間に置いただけでぱっとぬくもりのある空間が出来上がる。

 

 

 

 

Shoka

 

 

 

Shoka

 

企画展初日に訪れたキュートな彼女。
思わずごろんと転がって、その毛足の心地よさを味わいたくなるのです。
気持ちがいいよね。

 

 

Shoka

 

子どもたちの身体や感覚はと手もすなお。
子どもたちがShoka:へやって来ると、すぐにギャベの上に直行して、ごろり転がったり、手で撫でたり、好きなことをしています。
写真の彼はゲームをしながらリラックス。

 

人を思わず笑顔にするようなおおらかな絨毯ギャベのあるところは、ぱっと花が咲いたような明るい空気が満ちるのです。

 

Shoka

 

男の子のもたれている壁にかかっているのは動物の柄を織りこんだギャベ。
子供が無邪気に描いたような動物たちが並んでいます。
毛足も長くて、色も生き生きとしたとても状態の良いギャベ。

 

一体全体どのような生活の中から、こんな素直な絵柄が生まれるのでしょうか?
ギャベを見つめていると、はるか遠くの遊牧民たちの生活に心は旅立って行くのです。
現実に行ったことのない国だからこそ、心の旅は自由自在。
おとぎの国のようなハッピーな空想に、お昼寝時の寝顔だってきっとにっこり笑顔になることでしょう。

 

 

Shoka

 

このギャベは、1950年代のOLDギャベ。
この頃のものは、遊牧民の人々が家の中に敷いて使うベットとして家族の為に織っていたもの。
なので、ペルシャ語で「ざっくりと編まれた」という意味を持つGABBEH(ギャベ)そのまんまの、雰囲気が残っています。

 

柔らかい毛足はふさふさとしていて、草木染めで染められた色は経年変化を経て、柔らかい表情をたたえています。
この額縁のついた四角い柄は「窓」を表しています。
「しあわせが風と共に窓からたくさん入ってきますように」、そんな願いを込めて織るのだそうです。
そんな話を聞くと、心がぬくぬくとしてきませんか?

 

 

そんなギャベを2ヶ月ほど前に持って行かれたある方は、ソファーとテレビの間に敷いてご満悦。
ある日気づいたら、全くソファーに座らなくなっていたそう。
ギャベの上に座ってくつろいだり、ゴロゴロしたり、あまりに気持ちがいいので報告しにきてくださいました。

 

 

Shoka

 

 

 

この赤いガベはランナー絨毯として玄関に敷くのもよし。
私のおすすめは、こんなベンチやソファーの前に敷いて、クッションを置くこと。
きっと家の中にくつろぎの場、オアシスが出来るんじゃないかと思います。

 

 

 

Shoka

 

アップにしてみて見ると、このような木の柄が。
「生命の木」Tree of life と呼ばれているこの模様は、木には花が咲き実がつくことから、家族の繁栄や健康を願うシンボルとしてとても人気のある絵柄なのだそう。
お花をつけた木が、輝くように並んでいます。

 

赤い色のギャベは、見ているだけで元気が出てくるものです。
楽しい活動的な空気が、家の中に広がって行く感じが見えるようです。

 

 

 

Shoka

 

昨日は小野さんも一日在廊して、熱心にギャベのことを話してくれました。

 

敷いているのは、バルーチと呼ばれるキリムの一種。
とても細かい技術を駆使したすばらしい絨毯。
世界最高峰のキリムの一つと言われている珍しいものです。

 

 

Shoka

 

 

ピーコックが織り込まれていて、キリムの平織りの中に、更に毛足の長いギャベのようなふさふさを織り込んで、立体的な凹凸がついているのには誰もが驚かされます。

 

Shoka

 

近づいてみると分かるかな?
紺色のピーコックはふさふさとした立体的に起毛しています。
何年経っても新たな発見がありそうなほど、様々な絵柄が織り込まれている家宝ものの一点。
敷くだけではなくて、壁にタペストリーとして掛けてもきっとすばらしい空間となるのでしょうね。

 

 

 

Shoka

 

昨日は「移動料理びと 胃袋」の関根麻子さんが焼き菓子を焼いてきてくれました。
次回は9日(水)に持ってきてくれるそうです。

 

 

 

Shoka

 

心にぬくもりの広がるGABBEH展は14日(月)まで開催しています。
DMには13日までと記載していますが、台風で今日見ることの出来なかった人の為に一日延長することにいたしました。
とても珍しい布もたくさん届いていますので、この機会にすばらしい手仕事GABBEHに触れにいらしてくださいね。

 

 

 

 

Shoka

 

 

GABBEH展
10月14日(月)
12:30~19:00
期間中無休(台風時を除く)

 

 

 

Shoka

 

暮らしを楽しむものとこと

 

Shoka:

 

 

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2013.08.31 リフレッシュ ヒヤゴン便り

*Calend Okinawaに連載していた田原あゆみの「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち

Shoka:

Shoka:に新たな仲間が加わりました。
佐野綾子さん。
あやちゃんと呼んでいます。
マニッシュな雰囲気と、フェミニンさと両方を持った素敵な女性です。

人との出会いは不思議です。
求人を出したら、翌日にお客様としてやってきてくれたあやちゃん。
ゆっくりと滞在してくれたので、お茶を一緒にいただいて、色々お話をしているうちになんだかご縁を感じてしまって、スカウト。
あっという間にShoka:の空気に溶け込んでしまいました。

2013年の後半が新たな風とともに始まったのを感じています。

 

Shoka:

オーストラリアの乾燥した冬から、晩夏の沖縄へ帰ってきて、あまりの環境の違いにびっくり。
着いたとたん湿気の布団に全身をくるまれるような湿度の高さ。
乾燥した肌にどんどん水分が戻って、すぐにチャージは完了したのでした。

リセットのできたいい旅でした。

ということで、リフレッシュしたShoka:へ戻ってみましょう。

Shoka:

この時期に並んでいるのは季節の変わり目のお洋服たち。
コットンやシルク、リネンなどの薄手の素材が主流です。

晩夏のじりつく様な陽射しから肌を隠してくれる、軽いコットンの長袖シャツはARTS&SCIENCEのcotton100%の軽い素材。

ポピーの花のような鮮やかな色。

 

Shoka:

その服に合わせて、喜舎場智子さんのピアスをつけています。

 

Shoka:

 

大小大きさの違う5連のピアスパーツは色んな付け方を楽しむことが出来ます。

 

Shoka:

正面から見るとこんな感じに。
片方だけでも面白いと思いませんか?

 

Shoka:

金城はユーモレスクのカットソーのロングブラウスを着てご機嫌です。

Shoka:

この素材はコットンの細い強撚糸を使っているので、さらっとしていてとても肌触りがいいのが特徴です。
背中に羽織っているのはシンプルなカットソーのカーディガン。
一番上のボタンだけを掛けて、前を開くと一見どうなっているのか分からないのですが、引っ掛けるだけでとても雰囲気が良くなるのが不思議です。
形を遊ぶ、そんな感覚があると手持ちのワードローブが新鮮に見えてきそうでわくわくしてきました。

Shoka:

TOUJOURSのリネン素材の重ね着用プルオーバー。
透け感のある薄い素材だからこそ出る、この軽い質感がいいのです。

 

Shoka:

リネンはとても強く耐久性に優れているので、日常着としてどんどん洗って、着回してゆくのには最適な素材だと感じます。
質はいろいろですが、素材感と着心地に徹底的にこだわってものづくりをするTOUJOURSのリネンは、着ていて本当に気持ちがいいのです。

“ TOUJOURS “という言葉はフランス語で、意味は、「いつも・ずっと」なのだそう。
毎日着る、毎日着たくなる、そんな服を作っているステキなブランドです。

 

Shoka:

trippenのショートブーツ「 NOMADO 」

靴だけを持つと、ちょっと重いような気がするのですが、履いてみると革がしっくりと足全体を包んでくれて、足首をぎゅっとサポートしてくれるので、重い感じが消えてしまうデザイン。
どこまでも歩いてゆけそうなブーツです。

Shoka:

写真 金城由桂

同じブーツでも合わせる服を変えるとこんなに雰囲気が変わるのです。
こちらはミナ ペルホネンの新作。
カットソーのチュニックドレスです。
「autumn breeze」という名前がテキスタイルについています。

今日はあやちゃんが大活躍ですが、着る服によって人の印象はずいぶん変わるのが写真を撮っていても楽しかったです。

みなさんも良かったら、もう一度見比べてみてくださいね。
自分もそうだと思うと、服を着てお出かけしたり、誰かと会うことがまた一段と楽しくなりそうです。

他にも、ヨーガンレールの山羊革を手で編んで作られたお財布もとても使い勝手がいいのです。

 

Shoka:

こちらは少しだけピンク色が入ったような不思議なチョコレート色。
サイズは結構大きめです。

この色は一見地味な色に見えるのですが、使ってゆくとゆっくりと色に深みが出てきて、
落ち着いた艶が広がって経年変化が楽しめる色なのです。

Shoka:

赤と白灰色のチェックもとてもうきうきする楽しい雰囲気。

中を開けてみると、いい具合に整理がしやすそうなデザインになっています。

 

Shoka:

私も色違いで使っているのですが、もう開けるたびに溜め息が出るようなシンプルなうつくしさ。
いい買い物が出来るように、働くぞ~~~、というような気持ちになっています。
ちなみに色はゴールド。
目にドルマークが浮き出てきそうな色ですが、とっても楽しいので、やっぱり自分が好きな色や、元気になる色を日常の中で使うというのは大事なんだと感じている真っ最中です。

以前は、ゴールドに引け目を感じて避けていましたが、欲望に正直になった現在、ウハウハ気分で楽しんでおります。

聞いた話に寄ると、風水ではお財布は「黒・緑・茶」の三色がいいのだそう。
このお財布は他にも、白灰・緑・紫・黒などの色があります。
以外にも、ゴールドは風水では選ばれていませんでしたが、赤だってゴールドだって、自分が好きで元気が出るのだったら、それが一番なのかもしれません。

もちろん、風水でいい色なんだって~~、とそちらの方で元気が出るのなら、それも大層いいのだと思います。

他にも、中々時間が取れずに、写真をアップすることが出来ていませんが、
ミナ ペルホネンの新作のお洋服や、ランドリーのシリーズ、かわいいソックスもたくさん入荷しています。

Shoka:

そして、9月7日からは後半初の企画展「イエローレーベル展」が始まります。

豊かな手仕事や文化が今も息づいているインドで製作された服たち。
リゾートをまとうような楽しい色達は、彼の地に咲き乱れる花達のように鮮やかです。

もうすぐ9月だとはいえ、まだまだ陽射しが強くて、暑い日々が続きそうです。
ジャストで着れる夏服のイエローレーベルは、南国沖縄で活躍する服ばかり。

Shoka:

さあ、来週から東京への出張と、企画展の展示が待っています。
3人で力を合わせて、みなさまをお迎え出来る空間作りにはげもうと思います。

どうぞ楽しみにしていてくださいね。

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終了したイベントです

Shoka:

イエローレーベル展

9月7日(土)~22日(日)

豊かな手仕事の文化が今もなお息づくインドの地で生まれた
イエローレーベルは、織りや刺繍の精緻な技、独特の鮮やかな色彩を
ヨーガンレールならではの心地よいラインにのせた
夏季限定のラインナップです。
今期はビーズワークやミシンワークなど、
ひときわ精巧な手仕事を用いたアイテムや
さらっと羽織れるジャケットやドレス、
年間を通して活躍する麻素材のアウターなどが揃います。

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Shoka:

暮らしを楽しむものとこと
Shoka:

 

 

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2013.08.24 暮らしの中の旅日記  「夏休み便り」

*Calend Okinawaに連載していた田原あゆみの「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち

shoka

Shoka:は8月19日から27日まで夏休み。

私は娘と二人でオーストラリアのNoosaという町へ来ています。
ここには以前オーストラリアの東南部(クイーンズランド州 QLD)を旅した時に、3日間だけ滞在したことがあったのです。
その時に感じた開放感と、自然に囲まれた地形のうつくしさやもろもろに惹かれて2度目の滞在です。

こちらは冬。
昼間は23℃くらいまで上がりますが、夜は10℃以下になることもしばしば。
空気は乾いていてとてもさわやか。
ユーカリの香りとティーツリーの花の香りに満ちています。

このさわやかな風をうんっと吸い込んで、身体の中に溜まった空気と入れ替えて帰ろうと思っています。

写真は滞在先の目の前の運河沿いにたたずむペリカン。
本当にうつくしい鳥です。
そして大きい。
5歳児くらいはあるのです。

釣り人家族の横でそのペリカンさんはくつろいで、お互いを眺め合っていたのでした。

7才くらいの男の子が、
「ねえ、今日一日君は何をしていたの? 僕は中々楽しんだよ。
おやつもおいしかったし、◯○で遊んだし、君の一日も教えてくれたら嬉しいのにな」
と、語りかけていたのが微笑ましかったのでした。

shoka

ヌーサにながれる運河は水も砂もとてもきれいで、生活排水がそのまま垂れ流されていないのは一目瞭然。
この場所に住む人達や、滞在する人達が自然を大切にしていることが伝わってきます。

そして私が今回、ここに来たくてたまらなくなった理由の一つに鳥達のユニークさがあります。
ホテルやアパートメントやショップが建ち並ぶ、タウンの裏へ一本入ると、時折とても大きな塚があったりします。
土俵のように円をかいて、葉っぱや小枝が積まれているのです。

一体これはなんなのだろう?と不思議に思って聞いてみたら、野生のターキー(七面鳥)の巣だというのです。
それが結構大きいし、寝床のようなものがある訳でもなく、ただのサークルなのでまたまた不思議な気持ちに。
何でも彼らはその巣の上の木に登って寝るのだそう。

日本から来た私には珍しくてしょうがないのですが、彼らはタウンの片隅や、駐車場、人の家の庭を普通に歩いています。
しかも結構な数のターキーたちがあちこちにいるのです。

 

shoka

この子はスーパーへの道すがら出会ったターキーの雄。

ウイスキーのWILD TURKEY のあの絵とそっくりではありませんか。
多分誰かの家の庭に住んでいるのでしょう。
あの大きな巣も庭に作っているのだと思います。

それを許して、笑って一緒に住んでいるなんて何ともおおらかな暮らしです。

他にも、どうしても会いたかった鳥がいます。
“ロリキート”という種類で、姿も鳴き声もとてもにぎやかなインコの仲間。

 

http://goo.gl/fm2GhV

syoka

早朝と夕暮れ時、彼らの存在感は劇的にアップします。
ロリキートたちは大勢で群れになって木に集まり、ワーワーピチュピチュ大騒ぎ。
飛び回ったり、小枝にぶら下がったり、互いに毛繕いをしたりとせわしなく楽しそうに動いています。
写真は、夕暮れ時のティーツリーの木にロリキートが集まっているところ。
赤い色が見えるのがロリキートたちです。

その時間にはばっさばっさとはねを広げて、大コウモリたちも群れを作って飛び回り、大きなティーツリーの木にぶら下がって騒ぎます。

ぎゃーぎゃークチュクチュ
ワーワーピチュピチュ ギャーギャーギャー
バサバサバサ

特に夕暮れ時は赤い太陽が青い闇に落ちてゆく雄大さを、彼らの大騒ぎが演出して一種独特なマジックアワーが現れるのです。

何度かオーストラリアを旅するうちに、このにぎやかな鳥達の声と雄大な自然の景色が一つになって私を内側から誘うようになって来ました。
自然が豊かなオーストラリアですが、その中でも朝焼けと夕焼けの時間に響き渡る、様々な鳥達の歌声に私はつかまってしまいました。

shoka

夕暮れ時のヌーサの川辺。
写真には写りませんが、鳥の鳴き声が響いています。

オーストラリアには、他にもブッチャーバードや、マグパイや、コカトゥー、ブロルガ、笑いカワセミで知られるクカバラと、ここで話しだしたらきりがないほどの種類の鳥達がいます。
他にも私が愛してやまないウオンバットという有袋類の仲間も、コアラも、カンガルーたちも住んでいます。

彼らに会うのもほんとに嬉しいのですが、オーストラリアに郷愁のようなものを感じる時、私の中からあの鳥達の声が響き渡るのです。
その回数が溜まってゆくと、ある時堪らなくなって旅の準備が始まります。

私たちには色んな感覚が備わっています。
何かを思い出す時、色や匂いや、対感覚が記憶の底から立ち上がってきます。
その中でも、「音」というのはどうしてこんなにも身体の中に強く残るのでしょうか?
景色やその時の空気の質感や匂い、色と一緒に鳥達の鳴き声が身体の中に録音されていて、ふとした時に私を包み込むのです。

 

shoka

そんな記憶に引っ張られるようにやってきたオーストラリアのクイーンズランドのあちらこちら。
滞在は約一週間ですが、色んなことが起こっています。

旅はまるで小さな人生のようだと思う時があります。
楽しいことも、選択ミスもあったり、やり残し感があったり、予想不可能なアクシデントもつきもの。

今回もブリスベンで借りたレンタカーが欠陥車で、炎天下で5時間待つという事件が起こりました。
毎回何かしら起こるのですが、旅を終えるとそのことも全部話しのネタになって、楽しい思い出に変わるのです。

それから旅先から普段のことを思い出すと、なんだか客観的に見ることが出来ます。
遠くはなれているからそうみえるのかもしれません。

今回の旅でリフレッシュして充電を終えたら、まそのエッセンスをShoka:の場で訪れたみなさまと分かち合いたいと思っています。

2013年、Shoka:の後半は28日からスタートです。
企画展も3つ予定しています。
いろいろとリフレッシュしたShoka:へ、どうぞ遊びにいらしてくださいね。

今回は旅先からのお便りでした。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
梨や、りんごや、ぶどう。
果物が充実する季節。

みなさんもステキな晩夏を楽しんでください。

shoka

 

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2013年9・10月 Shoka:の企画展スケジュール

終了したイベントです

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9月7日(土)~22日(日)

イエローレーベル展
豊かな手仕事の文化が今もなお息づくインドの地で生まれた
イエローレーベルは、織りや刺繍の精緻な技、独特の鮮やかな色彩を
ヨーガンレールならではの心地よいラインにのせた
夏季限定のラインナップです。
今期はビーズワークやミシンワークなど、
ひときわ精巧な手仕事を用いたアイテムや
さらっと羽織れるジャケットやドレス、
年間を通して活躍する麻素材のアウターなどが揃います。

終了したイベントです

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終了したイベントです

10月4日(金)~13日(日)

「Gabbeh 展」

日本に初めてガベを持ってきた小野善平さんが選んだ、
手のぬくもりを感じるガベたちがShoka:へやって来ます。
日常に居ながらにして旅の気分を味わえるガベの豊かさに
是非触れてみてください。

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2013.08.17 季節の境目の真ん中で 「夏休み前のShoka:たより」

*Calend Okinawaに連載していた「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち

shoka

こんにちは。
Shoka:の金城です。
最近入荷したミナ ペルホネンの 「hanna」という柄のコットンのワンピースを着て撮影してもらいました。
薄くて軽やかなコットン地に、ミナ ペルホネンらしいお花が咲いたテキスタイル。
うきうきとしてしまいます。
ばたばたといそがしい時には、ついつい忘れてしまいそうになるけれど、こんな素敵なものづくりをしている人達や、作られたものに触れることが出来るのは何だかとてもしあわせだな、と感じています。

私の原稿も今回で3回目。まだまだ慣れなくて、毎回ドキドキしてしまいます。

8月19日から27日まで夏休みのShoka:。
今日はここ最近の状況と、季節の変わり目にどんなものがあるのかをご紹介しますね。

shoka

お盆休みだったせいか、Shoka: には県外からもたくさんの方が来て下さり、連日賑やかです。
来店した方とお話していると多くの方が、珍しい場所にあるね、とか、
来る途中小さな小道を曲がる時に急勾配なのに驚いた、など本当にこんなところにギャラリーがあるのかと、不安を抱きながら向かってきた胸の内を明かしてくれます。

それでも諦めずにShoka: を目指して来てくれたことを思うと本当に感謝でいっぱいです。

写真は13年のARTS&SCIENCEの秋冬物のコレクションの時に撮ったもの。
Shoka: スタッフだった関根さんが、ARTS&SCIENCEのモダンなラインのドレスを着ています。

もし、こんな女性が近くを通ったら必ずや目で追いかけてしまいそうです。

ハリのあるしっかりとしたコットン素材で作られた漆黒のバルーンドレス。
生地は、単に厚手というよりも膨らみのある感触で、奥深い風合いが感じられます。
飽きずにずっと着れそうなシンプルなデザインがとてもいいのです。

そうそう、オーナーの田原と2年あまり力を合わせShoka:を築き上げてきた関根さん。
先月の記事で、卒業を知り驚かれた方も多かったと思います。
今はちょっと一休みしていますが、心機一転、もう一度料理の道を究めていくという事です。
もともと人を喜ばせる事が好きな関根さんらしい決断です。心から応援しています。オーナーの田原とまだまだヒヨッコの金城と二人は、お留守番ですが毎日元気にオープンしています。

今回は、ARTS&SCIENCEの秋冬コレクションの中から、Shoka: に届いたもっとも旬なものたちを紹介しますね。
どれも、ちょうど今ぐらいから夏の終わり、秋にかけて着れるものたちです。

shoka
コットンリネン素材のギャザーブラウス

関根さんがさらっと羽織っているブラウスはよく見ると、真っ白ではなく、曇りがかった白。
そう見えるのにはきちんと訳があって、縦糸に2色が交互に入り、さらに素材の違う横糸を合わせて織られているのです。
ヴィンテージの風合いが感じられる生地です。

関根さんは同じ素材のシンプルなチュニックワンピースを、制服のようによく着ていました。
多分週に2~3回は着ていたと思います。
じゃぶじゃぶ洗って、すぐに乾いて、そしてとても着心地の良いコットンリネンは夏は一枚で、秋冬は重ね着をして年中着ることができます。
まさしく沖縄の日常にぴったり。

写真のデザイン以外にも、シンプルなものやチュニック、ワンピースなども揃えていますので、ぜひ実際にお店に見に来て下さい。

 

shoka

軽いコットン素材のドレープのきいたドレス。
何だか独特な雰囲気があって、シンプルなのにはっと惹き付ける形です。
レギンスにブーツでも似合いそうだし、今の季節ならシンプルなデザインのスリップオンでも合いそうです。

shoka
後ろのギャザーの入り具合もとてもきれいで、動いたときの素材感の流れがとてもいい。

 

細かく寄せられたギャザーですが、きちんとハリがあるのに、もたつきがありません。
適度に落ちてきれいなラインが出る優れものです。
細いベルトでブラウジングしてもきっときれいです。

A&Sのギャザーロングワンピースは、毎回素材やディテールを何かしら変え発表されています。
今回のワンピースは首元のリボンが2本取りになっていて、リボンの結び方で遊べそう。

shoka

リボンを結んでも甘くならないところがARTS&SCIENCEの魅力です。

 

shoka
手帳のように見えるのは、A&S定番のJabara wallet というお財布です。

植物樹皮から抽出されるタンニンでじっくり鞣し、牛脚油で丁寧に時間をかけて加脂するため、オイル分が抜けにくく丈夫で、使い込むほどに艶が増してきます。

ダークヴァイオレットやオリーブグリーンなどがあり、どれも色の深みが魅力的。

Jabara wallet のショートサイズを2年間愛用している方からお借りして並べてみました。
右が新着(ダークヴァイオレット)、上がロング、下がショート。大きさは2種類です。
左が2年使用したものです。
もとの色は、右とは若干違い、もう少し明るいブラウン寄りの色だったといいます。

shoka

きっとこのダークヴァイオレットも、来年、5年後とさらに色艶と深みが増していくことでしょう。
経年変化が楽しみですね。

shoka

使い込まれた革というのは、どうしてこんなに魅力的なのでしょう。

こすれた表面も、馴染んで内側に入り込んだクセもどれも愛おしくて、
きっとこの持ち主ではなかったら出てこなかった味がそこには出てきています。

共に歩んできた時間の歴史が刻まれている、これからが刻まれていく、
密かな楽しみが詰まっているのです。

 

shoka
shoka

まるで、財布が独り立ちして、遠くを見据えているように感じませんか。

構造上、蛇腹の厚みで立てる事の出来る財布なのですが、
味の出て来た財布には愛着が湧いて、より強くたくましく、美しく感じてしまうのでしょう。

そのほかにも、ミナ ペルホネンやヨーガンレールのお洋服や雑貨が入荷しています。
丁度この時期に着れる素材が待っています。

それから、お店は19~27日までお盆休みと夏休みとさせていただきます。
店休日にここまで来て閉まっていたらきっとショックだと思いますので、
Shoka:のHPのスケジュールをチェックしてからいらしてくださいね。

今週末に遊びにいらっしゃれる方は是非どうぞ!

お盆明けの、翌週28日からは元気にオープンいたしますので、
どうぞ避暑地・比屋根のShoka: までおくつろぎに来て下さい。

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終了したイベントです

2013年9・10月 Shoka:の企画展スケジュール

shoka
9月7日(土)~22日(日)

イエローレーベル展
豊かな手仕事の文化が今もなお息づくインドの地で生まれた
イエローレーベルは、織りや刺繍の精緻な技、独特の鮮やかな色彩を
ヨーガンレールならではの心地よいラインにのせた
夏季限定のラインナップです。
今期はビーズワークやミシンワークなど、
ひときわ精巧な手仕事を用いたアイテムや
さらっと羽織れるジャケットやドレス、
年間を通して活躍する麻素材のアウターなどが揃います。

 

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終了しています

10月4日(金)~13日(日)

 

「Gabbeh 展」

日本に初めてガベを持ってきた小野善平さんが選んだ、
手のぬくもりを感じるガベたちがShoka:へやって来ます。
日常に居ながらにして旅の気分を味わえるガベの豊かさに
是非触れてみてください。

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暮らしを楽しむものとこと
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2013.08.10 人から人へ手から手へ 小野哲平さんとユミさんの仕事場へ

*Calend Okinawaに連載していた田原あゆみの「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち

shoka

前回の記事に掲載した、岡山から高知への旅のお話の続きです。

 

暮らしの中の旅日記 「人から人へ 手から手へ Gabbehの魅力」

私は車の旅が好きだ。
気分によって寄り道をしたり、見たいものを思い出すとナビに入れてそこへ向かうことが出来る自由さ。
自分で旅のハンドルを握る気ままな旅。

けれど、島国沖縄から本州へ行くと、なんと大きく広く感じることか。
岡山市から高知の香美市まで2時間半。
単調な高速道路の運転は眠気を誘う。何度か高速のパーキングエリアで息抜きをしたり、時にはちょっとだけお昼寝をして無理の無いように運転を続けた。
瀬戸大橋を越えて四国に入ったあと、高知県へ近づくほどにいくつもいくつもトンネルを抜ける。
そのあまりの多さに、高知は山の連なりで他の四国3県とは隔たれているのだということが実感出来る。
南国で高速を降りてから、更に走ること1時間ちょっと。
山道に入ってからは、ハンドルを切り損ねると落ちそうな幅の狭い山道のカーブを何度も切り抜けて、棚田が青々とうつくしい7月の谷相の村についたのでした。

shoka

2014年の3月に開催することが決まっている、陶芸家の小野哲平さんと、布作家の早川ユミさんを訪ねることが目的の小旅行。
二人のものづくりや、暮らしのリズムとその景色に触れる旅。

shoka

谷相の棚田の景色と、二人の住まいには何だかタイの北部を感じさせるような空気感があります。

夕暮れ時にやっとついた私と娘を待っていたのは、夕焼けの色に照らされた夕餉の時間。

shoka

ユミさんも哲平さんも、自分たちがタイを旅した時に多くの方から
「お腹空いていない?ご飯食べていきなさい」と声をかけられて、ご飯を食べさせてもらった経験から、
縁あってここを訪れることになった友人達へたっぷりとご飯を振る舞うのを常としているのだそうだ。

若いお弟子さんたちや友人知人が皆力を合わせて調理をし、哲平さんが作った様々な形や質感のうつわへと盛りつけていきます。
食べることとその時間が大切にされているここでの生活。
その中で生まれたうつわなんだということを、一緒に食事をいただくことで実感出来たのです。

それにしても、台所で働くみんなの姿の美しいこと。
みんなが一緒に呼吸をしているように一連の流れに乗っている。

哲平さんとユミさんの仕事とその軸になっている人間性に惹かれて、多くの人達がここへ旅してきたことがうかがえるようなぬくもりのある景色。

何度も何度もこうして、大勢の人達と一緒にご飯の時間を過ごした記憶がこの場を祝福しているかのようなぬくもりに包まれているのでした。

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高知名物の鰹のたたきは、たっぷりのタマネギと一緒にいただきます。
裏の畑でとれたししとうの煮浸しや、トマトは新鮮で生き生きとしています。

元々私の実家では大皿料理を取り分けていただくのを基本としていたので、このスタイルはなんだかほっとするのです。今日初めて会う人も、再会した人も、みんなで皿をつつき合うことで、あっという間に一つの空気に染まってゆく。

旅好きな哲平さんとユミさんの日常へ、私たち旅人が集う。今までにもきっと何人もの若い人達が、二人から仕事を学ぼうと谷相へと登ってきたのでしょう。
弟子としてとどまる覚悟を決めた人は旅から抜け出て、ここを日常と決めて暮らしに根ざす。

その痕跡があちこちに残った、仕事場と家が溶け合う空間。

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みんなでわいわいとご飯をいただきながら、ふと目を外へ向けるとそこに広がる緑色の景色が心を開放してくれる。

心も身体もふあーっと深呼吸。
旅でくたびれた細胞たちがよみがえってゆく。

 

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布作家の早川ユミさんは、19歳の時にアジアを旅してから身体の中にアジアの地図ができ上がっていったという。

アジアを旅して出会った、心惹かれた布たちをどっさりと日本へ持ち帰ってきては、ちくちくと服やバッグや包むものを縫い上げる。
身体に残っている旅の思い出が、布の持っている記憶と一緒に歌を歌うように布に触れるユミさんはとても幸福な人だ。

滞在中はオーガニックマーケットに連れて行ってもらったり、畑を案内してもらったり。
色々な話をする機会に恵まれた。

ユミさんと話していると、手と口がとても表情豊かなのに心惹かれた。

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嬉しくなった時、何かに興味を持った時にユミさんの口元は好奇心旺盛に反応する。
笑ったり、微笑んだりだけではなくて、しゃべっていてもだまっていても、唇がきゅっと形を変えて何かを語りだしそうにしている。

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ユミさんは様々な表現の形態をもつ人だ。
縫ったり、書いたり話したり、身体を動かして畑仕事、自然と対話をして収穫をする。
その活動がまた次の表現に繋がっている。

旅の話をしながら、畑や日本ミツバチの巣箱のあるところへ案内をしてくれたユミさんは、楽しそうに嬉しそうに様々なものを見せてくれた。

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日本蜜蜂のはちみつはお薬なのだそう。
日本の自然とともに生きている彼らに触れていると、様々なことを教わるのだそうだ。

農薬を撒けばいなくなり、寒過ぎても死んでしまう、空になってしまった巣箱を見て悲しい気持ちでいると、翌年にはどこかからやってきて、また巣箱の中は蜂たちで一杯になったり。
生命の力強さと弱さ、人が環境に与える影響力。

ユミさんは布仕事、畑仕事、台所仕事、書くこと、着ること、生活の中のどこを切ってもユミさんらしさで溢れている。

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ユミさんの様々な行動の中からの発信を見ていると、自分と自然と社会と一緒に呼吸をすることは大切なんだよ、といっているような気がする。

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ああもう、掘り下げたくなる性格からどんどん深まってしまいそうな自分と戦っています。
今回は、私の旅を中心に感じた谷相見聞録にとどまります。

来年3月に行う二人の企画展の前に、また二人の仕事と人についてご紹介しようと思います。

 

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私たちが食事をしていた母屋から、小さな小川を越えて徒歩15秒のところに、哲平さんの仕事場はある。
哲平さんもまた、表情豊かな人だ。

私は初めて哲平さんと食事をした時に、
「何がしたいんだ~!?」と唐突に言われたことがある。
詰め寄るように言い放たれた言葉に、なんとも熱い人だなと思った。

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何度か会って食事をしたり、お酒を酌み交わしているうちに、喜怒哀楽に素直なその人柄がだんだんと見えてきた。
何かに心が引っかかると、感情豊かに問答し、適当に流さず追求する。
美味しいと顔がほころび、子供のようににっこりと笑う。
悪いな、と思ったら「ごめんね」と心から言える。

感情の一つ一つが濃いので、その一部分だけ見た人はその印象が強くなってしまうかもしれない。
怒っているのを見たら怖い人だと思い、満面の笑顔に対面した人は無邪気な少年のようだと思うだろう。
付き合いだすと、その人間味の豊かさにどんどん親しみを感じていく人はきっと多いだろうと感じる哲平さんの周りには、たくさんの人が吸い寄せられて来たはずだ。

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哲平さんは自分の仕事を心から愛している。
とにかくずっと仕事に触れていたいのだという。
柔らかい土を触るときのぶにゅう、と、手の間から逃げてゆく柔らかく冷たい感触も、薪窯におこした火に薪をくべる作業も、その緊張感や期待や、やり残した感覚も、みんな大好きなんだという。

土のような人だなと、哲平さんのことを思い返しながらふと思う。
水を入れると柔らかくなり、火で焼き締めると固まる、太陽に照らされると乾き、水と太陽と気温のハーモニーの中で草木が育つ豊かな土壌も土だ。

陶土も、陶器も、畑の土も、触感や見た目も全く違うように感じるのだけれど、どれも皆土の変化した姿だ。
知り合っていくうちに新しい発見があったり、より深くその人を知ることが出来るのは人生の醍醐味の一つだと、今はつくづく思う。
その位私の中で哲平さんという人は変化し続けている、味わい深い人なのだ。

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足の裏や手のひらに、こんな土を触ったときの感触が残っていませんか?
指の間から逃げてゆく、何ともくすぐったくなるような感触。

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土は様々な形になるけれど、うつわや道具として使う時、やはり使いたくなるうつわを作りたいと哲平さんはいう。自分が作るのなら、気づくと手に取っている、そんなうつわでありたいと。

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哲平さんの薪窯の方へ続く路。
薪が整然と並べられていて、とてもきれいだ。

私が一緒に仕事をしたいなと思う人との出会いは二通りの出会い方がある。
ものを通して興味を持って、その人に会いにいくもの主体の出会いと、その人自身と出会って話してゆくうちに惹き込まれて仕事を一緒にすることになるという、人主体の出会い。

哲平さんもユミさんも、まずはその人と出会ってから始まったご縁。
数えてみたら、10回ほど一緒にご飯をいただいた。

ご飯を一緒にいただくと、人はどんどん打ち解ける。

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食事を楽しんでいる時、私たちの感覚はオープンになる。
臭覚、味覚、視覚を前開にして、場を共有しているから。

そんな中で距離を縮めながら、最初会ったときよりもお互いを知り、親しみや敬愛の感情が育ってゆく。

谷相も、二人の暮らす家と仕事場も、畑もみんなとてもいいところなのでした

哲平さんとユミさん、2人の息子たち、そしてここを仕事の場として決めて滞在してきた人々、旅をしてきた友人達の、人から人へ、手から手へ、形の在るものも、その形の元となっているものが手渡されてゆく。

そんなことが生き生きと繰り返されている、そんな場に居合わせることが出来たことがただただうれしい。

未熟であって当たり前なのが人間。
それでも心動くことを仕事と決めて、その仕事を通して様々なものごとや人と関わり合いながら、人は学び磨かれてゆくのだということを、今回改めてつよく感じたのです。

Shoka:もそんな場でありたい、と。

人と深く関わってゆくと、悩みも、煩わしさもそこにはあるだろうけれど、喜びや、豊かさもまた人との関係性から来るものなのだ。
縁のある人達とどんどん関わりあおう。
豊かさやポジティブなことばかりを追いかけていないで、その影も受け入れよう。
二つはきっと一つなのだから。

そんな静かな決意を温めながら最後の夜を楽しみました。

shoka

人生という旅の中で、人と人がちゃんと向き合い交流し、その営みの中でものが生まれるところ。

ここにまた来よう、帰る時私はそう決めたのでした。

 

 

終了*最後にShoka:ではスタッフを募集しています。
自分の感覚に耳を澄ましてものづくりをしている人達との交流や、Shoka:を訪れて来る方々との交流をお仕事として楽しめる方で興味のある方、詳細はこちらからどうぞ。*

 

http://shoka-wind.com/2013/08/stuffmotomu/

 

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早川ユミさんと小野哲平さんの本
二人の活動に興味のある方は是非本を読んでみてください。
Shoka:にも今後置く予定ですが、今はまだ在庫がありません。
amazonで検索をかけると色々と出てきます。

二人のHPはこちら

http://www.une-une.com/index.html

二人のShoka:出の企画展は
2014年2月28日~3月16日まで

2月28日(金)は早川ユミさんのちくちくワークショップを開催する予定となっています。

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