あのヒトに会いに

ユーモレスク

この人に会うと、ついつい買ってしまう。そんな人がいませんか?

女性も男性も、老若男女を問わず、人間って本能的に綺麗なもの美しいものが好きなのだと思う。

さて、この一つ前のブログの記事に書いたように、4月の花冷えのみぞれがちらつく東京を一路西麻布へ。ユーモレスクの2015年の秋冬のコレクションを見るために。そしてユーモレスクのデザイナーの渡辺さんに会うことを楽しみに。

ユーモレスク

展示会場でいつも楽しみにしているお花。どこのブランドもその空間に生けてあるお花がそのコレクションを物語ってくれます。

渡辺さんの長い手とその指先の動き、照れ臭そうに笑うはにかんだ横顔。彼女から発する雰囲気がそのまま形になったような服のラインと素材。

私はそれまで普段着にカシミアを着るという選択をしたことがなかった。彼女から勧められて着てみたら、なんとも心地よく自分のために着るという感覚は何て素敵なんだろうと思った。自分をよく見せるために着るのではなく、自分の心地よさのために着るという事が、こんなに自分に喜ばれるとは思っていなかった。

今までも、着心地のいい服は着てきたつもりだけれど、誰かに見てもらうための演出というのが常に潜んでいた気がする。それも生活を楽しむ上で必要なスパイスの一つ、それも重要なものだということは知っているけれど、どこかで外に着ていく服と、自分をくつろがせるための服の間には境界線があった。

クローゼットの中には大きく分けると二つの世界。一つは外に着て行く外出着。もう一つは、汚れてもいい服と部屋着。ユーモレスクと出会ってから、その中間に位置する服が出現。それは、外と中が一つの服。自分の感覚を優先する服。外出から帰ってきても着替えなくていい服。もちろん寝巻きに着替えるまでだけれど。

ユーモレスク

そして、渡辺さんが着ている服を見ていると、つい私もその雰囲気を身に纏おうと、追いかけてしまうのだ。日本の秋と冬は沖縄の気候とは違う。沖縄では12月までコットンやリネンが主流。時折寒い北風が吹くと薄手のジャケットやカーディガンを羽織る程度。年が開けると少し寒くなるけれど、コートはなかな出番が少ない。

それでも、今回もまたカシミアのニットやウールのロングガウンを受注したのは、裏が付いていなくて風通しがの良い一重だったことと、彼女が可愛くって仕方がなくて、そのエッセンスをあやかりたくて仕入れたのでした。

ユーモレスク

ほらこの指先からも、彼女とユーモレスクのエッセンスが伝わってきませんか?

ドボルザークのユーモレスク

誰でも一度は聴いたことのあるこのメロディ。散歩をしながら、お仕事の時間でも、家事をしていても、旅行中でも、ふと軽やかにハナ歌を口ずさんでしまうときがある。そんな時に無意識に口ずさんでいる曲の一つ。楽しい気分を生活の中にいつの間にかもたらす。ユーモレスクはその名前の通り、そんなお洋服だと感じています。

春夏物のユーモレスクがShoka:には揃っています。

ユーモレスク

アンティークのレースをあしらったカーディガンは、ベージュ・ネィビー・ブラック。

3番目以降のボタンは飾りになっていてそれがジュエリーのようなアクセントになっています。

DSC08071

ユーモレスクのリネンのニットは本当に気持ちがいいのです。

さあ、これから私は17日から始まるtrippenの記事を書こうと思っています。今日は雨の沖縄、お部屋の中でユーモレスクのピアノの楽曲を聴きながら。

 

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未来の欠片-3

ミナ ペルホネン15AW

ほら、あちこちに。

ミナ ペルホネン15AW

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有緣千里来相逢 巡時茶會

Shoka:

昨日開催した「巡時茶會」

この一年を振り返って、今この時の中に過去と未来が重なるような茶會になるよう名付けました。

一年という一つの周期を見ると、ある人は喜びに満ち溢れた年、またある人にとっては別れと胸の痛みが感覚の淵に常在したような一年、誰かにとっては始まりの年で、ある人にとっては停滞した一年であったかもしれない。

人によってその時の状態は異なるけれど、皆で茶を酌み交わし、胸を開いて語り合えば、集った人のすべての状態が一つになって、いつかの自分の姿をそれぞれの中に垣間見る。

共感しあうことで、様々な人生の景色が重なってゆく。

Shoka:

茶人の谷口ひろみさんの入れるお茶は、おおらかで優しく茶杯のように参加する人々をそっと受け止める。

彼女と旦那様の息のあった心地よい空気感が、くつろぎの場を包んでいるのを感じながらいただくお茶の香ばしさ。ほのかに広がる歯の甘み。

開きかけた菊の花の蕾のお茶は、身体の中に清涼な筋が通ったような気がした。

Shoka:

閉じていた蕾がゆっくりと花開いてゆく。

私たちの口もゆっくりと広がって、楽しい語りとお茶の滋味に舌鼓を打つ。

Shoka:

お茶のある景色のうつくしいこと。

一杯ごとにお花を浮かべて。

ひろみさんの所作がとても綺麗で、じっと見とれてしまう。

Shoka:

有緣千里来相逢

無縁対面不相逢

そのお茶会に合わせて、ひろみさんがみんなに教えてくださった中国の言葉。

「縁のある人は、どんなに離れていても出会うものだ。

縁のない人は、対面しても会うことはない」

今回のお茶会で出会う人々の縁を「茶縁」と呼ぶのだそう。

年末年始、家庭や友人たちとお茶をいただきながら、普段当たり前だと思っている縁の深さを改めて味わってみたい。

Shoka:

お店が終わった後、私たちが茶會を楽しめるようShoka:を切り盛りしたチームにもひろみさんがお茶を淹れてくれました。

Shoka:

あや 感嘆!

麻紀 うっとり

由桂 きらきら

*Shoka:は年内28日5時までの営業となります。明日23日は店休日です*

 

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今年、私に贈った贈り物 3

trippen Shoka:

旅行に行くととにかく歩く。

沖縄で全く歩かない生活を送っていることへの懺悔のように、電車を避けてまで歩く。

もともと歩くのは好きなのに、私の沖縄での生活は立つのは足で動くのは車、と、役割を分担しているかのようだ。

なので旅というと靴が実に重要な乗り物になる。私の足は幅があるので、合わない靴を履いているとすぐに歩くことが苦痛になってくる。

靴が好きなので、長年この仕事をしている中色々持って入るのだけれど、歩かない沖縄の生活にはいいけれど、旅行の友には役不足。

trippenの靴に出会ってから、旅が快適になった。

今までのように旅先で足が痛くてたまらなくなり、服に合わない靴を買うはめにならなくなったし、買ったはいいもののやっぱりその靴も合わなかったというがっくり落胆もなくなった。

この靴はニューヨークに行くことを口実に、購入したtrippenのBOM。気に入っている。

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大地を踏みしめ、その大地を力強く漕ぐように歩く時、風が頬をかすめ、土やアスファルトの濡れた匂いが漂い、草の香りがする。身体と感覚と自覚が一つになって、生き生きとしてくる。

車に乗っていたらそんなことは起こらない。

わかっている、わかっている、色々いいのもわかっている。

さあ、今日と明日は石垣島へ。

きっと海辺をたくさん歩くだろう。

よろしくね、私の脚とtrippen。

 

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今年、私に贈った贈り物1

ヨーガンレールShoka:

今朝はこのことを書かなくちゃ部屋を出ていけないな。

カレンド沖縄の記事用に取っておいた写真だけれど、どうしても書きたくなって抑えきれない雨の朝。

黄色いウールのストールは今年の9月末に手元に置いておきたくて購入しました。

ヨーガン レールさんが刺繍されていたから。

見ていると、庭仕事をせっせとやっていた姿や思い出がよみがえってくる。

ある日、一緒に庭づくりの仕事を手伝った。雑草を抜いていた時のこと。

「ほとんどの人は、何を残して、何を抜いたらいいのか全くわかってないよ」

強い口調でそう言って、じっと目を見るレールさん。

「このヒトにはこんなに可愛い花が咲くのに。この醜いものたちを抜いて欲しいだのに。あの人たちはそこらじゅうのものを全部抜いてしまうよ。そっこらじゅうが丸裸になるよ!」

怒っているレールさんは、感情を込めて言い放った。

 

・・・・・自分の好みだね、レールさん。それ、レールさんにしかわからないね。

心の中でそう呟く。

きっと、農園で働いているおじさまがたはその微妙なレールさんの好みがわからないんだろうな。そういうことを考えながら、

「ほんとだ、こんなに小さいのに、可愛い花をいっぱいつけているね」

白い小さな花たちを見て、今度は言葉にして呟く。その小さな花たちをそっと撫ぜる。そのあとは、すっと静けさが戻ってくる。

「あなたがずっと前に持ってきてくれたあの子に花が咲いたよ。あなた白い花だと言ってましたけれど、赤でした」

・・・・・あら、そうだったかしら?失敗しちゃったの?私。

それは言葉にしないで、残念そうな表情をして私は笑う。レールさんは白い花を当時集めていたのだった。

「大丈夫よ。可愛い花でしたから」レールさんはそう言うと、楽しそうに少し恥ずかしそうに笑った。

その時に言葉に出したことと、出さなかったこと、レールさんの表情と声音、島の植物の緑の香り。その全てがこの刺繍に重なる。レールさんとの思い出は、綺麗で、美しくて、お互いのいろんな感情がそこに息づいていて、いつもちょっとだけ笑える。だから思い出すととても切なくなる。

私はこのストールを大切にするだろう。

 

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