アンティーク 印葉図(nature printing)
生産地 イギリス
年代 19世紀
サイズ W:約25cm H: 約30.3cm
価格 ¥86,000(税込 ¥94,600)
パリを歩いていて、どうしようもなく入ってみたいお店に出会いました。みたこともないような雰囲気で、店内には絵を挟んで保存するための間とがびっしりと並んでいてまるで小さな博物館のよう。
店の真ん中には気難しそうなムッシュが眉間に皺を寄せてパイプを加えてぎろりと入ってくる人を睨みつける。
怯みつつ勇気を持って入ったことがきっかけで、蒐集家御用達のこれらのエッチングと出会うことになりました。どれも希少で、絵よりも静かでじっとみていて飽きない良さがあるのです。
当時のことを書いた記事はこちらから
当時のフランスでは今のように写真などがなかったので、研究者達はあらゆるものを絵に描いてエッチングにして仕上げ、本にまとめました。博物誌・百科事典・植物辞典・地質学誌・海洋生物誌etc。
一枚一枚が手刷りの時代に出来た本は、今ではとても貴重なものです。
その挿絵の1ピースをフランスで探してきたやはり1点もののアンティークの額に合わせてご紹介します。
『印葉図(nature printing)は、18世紀のオーストリア・ヴィエナにてアロイス・アウアーが生み出した葉や花を精密に写し出す印刷技術によって作られたもの。透き通るような緑色と細かに写し出された葉脈に思わず見入ってしまうが、その印刷技術は現在も明らかになっていない。
この印葉図は、アロイス・アウアーの元に産業スパイとして印刷技術を学びに行ったヘンリー・ブラッドベリによって作られたもの。彼から印刷技術を継承されたものは一人もおらず彼の死後、印葉図の製作は途絶えてしまった』
透き通るようなグリーンと細かに写し出された葉脈に思わず見入ってしまう。とても貴重な一枚。