今回のジュエリー展ではヨーガンレール氏が、『貴重な石の村』という意味を持つインドのラタンプールに何年も通って収集した瑪瑙の原石のコレクションの一部を展示しています。
一つに石の中に、自然の計り知れなさが透けて見えるような個性的な石たち。
「日の出ともなれば、ほとんど水平にさす陽の光が透明度の高い石を捉える。石は遠くからでも光って見える。だが、、そのそばまで行く前にもっと面白い色の石やかたちの石に気を取られる。やがて石集めという所期の目的は、思いがけないものやびっくりするようなものを目にする喜びに取って代わる・・・・・。」
Jurgen Lehl著 Babaghuri より抜粋。
http://www.jurgenlehlshop.jp/jp/books/photo.html
レールさんと一緒に自然の中を歩いていると、彼の美しさを捉える感性に驚くことがよくあります。
一緒に浜辺を歩いていて、集めた貝殻を見せ合ったとき、彼の集めた本の2、3枚の貝殻があまりにも味わい深くて、自分の手のひらの上のものがつまらなく思えて来るほどの衝撃を感じたものです。
自然の中から捉えた美しい色彩やかたちへの感動が、彼の作るテキスタイルやものづくりの原点なのでしょう。
その視点が、今回のジュエリー展の作品を見ていると私たちもかいま見ることができます。
「ヨーガンレールのジュエリー展」
12月19日(日)まで
19日までの展示です。
Babaghuriの写真集も入荷しました。この写真集は、レールさんが12年かけてコレクションした石を、六本木の自宅で床中に並べて色や形をグループ分けしながら、とっておきの組み合わせを自分自身で撮影したものです。
石の色がきれいに出るように、特殊な印刷をしているようで虫眼鏡で見てもきめが細かく映っています。
惑星のような、砂漠のような、様々なイメージが広がってゆく瑪瑙の原石たちの姿が収まったこの写真集には、Babaghuri「王様の石」の名ににふさわしい世界が詰まっています。
「私もインドに拾いに行きたい!」と言ったら、レールさんは含み笑いをしながら「もうありません。開発が進んで、くだけてしまっています」と・・・・
私も、たまにこの写真集を広げて自然の世界の美しさや不思議を覗いては、日常の暮らしの中に旅の空気を招いています。
数に限りがありますので、お早めにどうぞ。