10月6日(土曜)から始まった「安藤明子のサロン展 はたらきものの衣服」
その日の夕方からサロンの着付けとお話会を開催しました。
サロンは着る人の身体を生かした着方になっているので、その人に合ったラインが出ます。
きちっと着るには、腰の辺りを布できっちりと巻き付けるのがコツ。
安藤明子さんがやさしく丁寧に巻き付けてくれました。
真剣なまなざしからは、自分が生み出したサロンの様式と、着付け、そして布に対する愛情が溢れていることも感じられる時間でした。
へ〜、なるほど、と見入るみなさん。
時に笑ったり、明子さんがこの仕事をするきっかけや、必然のお話をした時には、じーんと静かな感動が会場を包んだ。
現在の形に収まるまでに、日常の変化や、多くの作り手たちとの出会い、様々なことがあって、その中に必然を見いだして来た明子さん。
「人は、いろんな経験をへて、もしかしたらこれはいらなかったなあ、ということも中にはあるかもしれないけれど、でも結局その人らしいところや、持って生まれた才能が示すところに収まるのかもしれないと思います。そして、ああ、そうだ私はこれだったなあ、これが私のすることなんだなあ、ということが分かる日が来るんだと思うんです」
「サロンを考案し、『現代の常服』として提案するということを自分の仕事とした後に出会った人達と接していて、好きなことをしていいんだ、と、とても開放されたような気がします。こうしなくちゃ行けないとか、こうあるべきだ、というような枠からどんどん解放されてゆくのが嬉しいんです」
明子さんは鈴のなるような優しい声で、語ってくれた。
やさしいけれど、凛とした表情。
集まった私たちの心まで、ふわっとサロンに包まれるような時間なのでした。
安藤明子のサロン展
「はたらきものの衣服」
14日(日)まで
Shoka:
12:30~19:00