カシミアここち

humoresque

今日の沖縄はとてもいいお天気で、日中の気温は24度。まるで初夏のような陽気。なので、春物や私たちの大好きなお洋服を着て、色々と撮影をしていました。

写真はユーモレスクのカシミアのニット。

淡い桜色の、柔らかくて軽い仕上がり。今期のユーモレスクのカシミアは、デザイナーの渡辺さんから聞いたところ、とても上質で番手の細い糸を使って仕上げたのだそうです。私も着ていますが、何しろ柔らかくて軽い。そしてほんわりと温かいのです。カシミアの糸の撚りを出来るだけかけずに仕上げていますので、摩擦すると毛玉はどうしても出来てしまいます。

毛玉は、T字カミソリを軽く当てて、そっと表面を滑らしてゆくときれいに取れます。ニットの工場の方に聞いてみたら、てでそっとむしり取るのが一番いいのだと教えてくれました。

毛玉のお手入れ 田原の場合

カシミアのニットを着ていらっしゃる方は、試してみて下さいね。

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胸元には喜舎場智子さんのピアスをブローチとしてつけています。細くて軽いので、ニットや、カットソーにもつけることが出来るのです。最近の私のお気に入り。

この1週間は暖かい日が続くという沖縄。明日の青空もとても楽しみです。

 

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「暮らしの中の旅日記 お手入れ編」後編

CALEND-OKINAWAにて連載 「暮らしの中の旅日記」
28日掲載文の後編

ー普段使いの木と漆のうつわのお手入れ法

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

おはようございます。
昨晩遅くにアップしたカレンド沖縄の記事が、長くなりそうだったので、後編はこちらのブログに掲載することになりました。
前編はこちら。
http://calend-okinawa.com/interior/shoka/ayu33.html

とてもおいしかった、パンケーキをいただいた一日の記憶。
本題のお手入れまでたどり着けなかった位、楽しいひとときでした。

CALENDO-OKINAWAには沖縄の素敵な情報と人物の記事が集まっています。
とても素敵なウエブマガジンなので、是非読んでみてくださいね。

Shoka:は毎週木曜日に連載をアップしています。

さて本題。

うちの麻子さんが、見つめている先も気になりますが、お手入れ方法へ参りましょう。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

おいしいパンケーキを食べ終わったら、今度は洗いものという労働が待っています。
が、幸せな気持ちが続いているので、洗いものだって楽しいものです。

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うちは、このアクリルの編み物で殆どの食器を洗っています。
軽い油位は、洗剤を使わなくても充分落とすことが出来ます。

銀彩のうつわは陶器ですが、こうやってジャブジャブ。

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今回はバターがたっぷりだったので、「松の力」という自然系のすばらしい洗剤を10倍に薄めて使用。
ナチュラルなので、手も全く荒れません。
洗浄力もとてもいいのです。

沖縄なら、「米屋松倉」さんと、やんばるの「カタチ」さんで買うことが出来ます。
強い合成洗剤は安いのですが、手にも、環境にも、そして実はうつわにもあまりよくありません。
木のオイル仕上げのうつわの中に吸い込まれて、ぱさぱさにしてしまったり、きつい匂いが移ったり、漆なんかは洗剤が原因の色焼けなども起こることがあるそうです。

ナチュラル系のやさしい洗剤や中性洗剤をお勧めします。

さて、木のうつわやカトラリーたち。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編暮らしの中の旅日記 お手入れ編

泡が少ないのが分かりますか?
こちらはそんなに油物を使っていなかったので、ほとんど洗剤をつけずに布だけで洗っています。

 

木はうつわ自体にオイルが充分に入っていたら、油物をのせても染みになることはありません。
普段からたまにオイルで磨いてあげると、木肌が適度な油分を保っているので見た目もうつくしく、汚れをはねつける力も保てます。
後で、オイルを使ったお手入れもご紹介しますね。

柔らかい布でやさしく洗ってすすぎます。
もちろん柔らかいスポンジでも大丈夫。

付け置き洗いは木や漆のうつわにはいけませんよ、ご注意を。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編暮らしの中の旅日記 お手入れ編

こちらは赤木明登さんの普段使い用のうつわたち。
こちらも、柔らかいスポンジや布でやさしく洗います。
綿やアクリルの布だけで洗っても、実は結構油分は落ちるんです。
こちらは洗剤をほとんどつけずに洗っています。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

そして、洗った後の陶器や木のうつわをいれるのに、竹のかごはすごくおすすめです。
長いことステンレス製のものを使っていましたが、ステンレス網目の固さに陶器が負けて、欠けの一因になっていることを発見した後に、麻子さんに勧めてもらい私もこちらのかごを購入しました。

生活雑貨を扱っているお店に置いてあることがあります。
麻子さんは、那覇の楽しい生活雑貨のお店「ミトネ」さんで購入。
私は探しまわって、松本に行った時に購入しました。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

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洗い終わったら、かごから取り出して綿や麻布で水気を拭き取ります。
そして乾かしてから、食器棚へ。
竹のかごも、布で水気を拭いてからこうやって裏返しておいて乾かします。

沖縄は湿気が高いので、こうやって拭いて乾かしてもカビがつくこともある位。
たまにたわしで洗って天日に干したりもします。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

こうした日常の雑務や労働は、面倒くさいと思うと億劫ですが、イベントだと思ったり、「あ〜私徳をつんでいるわ〜」と、徳積みゲームというものに参加しているんだと考えるようにしています。
そうすると、何だか楽しい気持ちになるものです。

友人や家族とおしゃべりしながら家事をすると、楽しくってあっという間に終わっちゃいます。

さあ!いよいよオイルを使ってのお手入れ方法です。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

オイルは大きく分けると乾性油と不乾性油の二種類に分けられます。
木の食器には乾湿性のオイルを使うのがいいと言われています。

以下はウイキペディアの「乾性油」からの抜粋です。
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乾性油
空気中で完全に固まる油であり、ヨウ素価は130以上。亜麻仁油・桐油・芥子油・紫蘇油・胡桃油・荏油・紅花油・向日葵油など。
半乾性油
空気中で反応して流動性は低下するが、完全には固まらない。ヨウ素価は130から100程度。コーン油・綿実油・胡麻油など。
不乾性油
空気中で固まらない。ヨウ素価は100以下。オリーブ油・扁桃油・落花生油・椰子油・椿油・菜種油など。

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乾性油の中で、手に入りやすく比較的廉価な紅花油をうちでは使っています。
いちばんいいのは、荏胡麻油だといわれていますが、高価で入手はお取り寄せになります。

またオリーブオイル等の不乾性油も使えるのですが、なかなか乾かないので手や服につかないようにご注意を。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

 

木肌には流れがあります。
布で拭く時に感じる軽い摩擦で感じることが出来ますが、木が成長する時に上へ向かって伸びてゆくので、伸びてゆく方向へはスムーズに拭くことが出来ます。
反対方向へ拭くと、摩擦が起こって木地に布の繊維が付着します。
なので、手先で触って滑らかに進む方向へオイルを浸した布でやさしく拭いてゆきます。

フォークは隙間に布を入れ込んで、オイルを染み込ませてゆきます。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

オイルを小皿に入れて、時折足しながら丁寧に磨いてあげます。

こういった単純作業は、私にはとても癒しになる時間です。
こんなことをやっていると、何だか自分にまで栄養をあげているような気分になるものです。
丁寧に持っているものの面倒をみることは、自分を丁寧に扱っているような満足感がついてきます。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

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左 塗る前のカトラリー
右 左はオイルで拭いたもの。右はまだ。

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オイルを充分に吸って、肌がつややかになったうつわたち。
こちらは、皆川明さんデザインで三谷龍二さんが製作した、キノコのプレートと、ちょうちょの羽のプレート。
山桜で出来ています。

つやつやになって、生活の楽しい時間も木肌を染みてゆきます。

左のお箸やフォークはオイルを塗ったもの。
左は順番待ちのもの。
元々の色の違いはあるけれど、艶はやっぱり違います。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

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せっせと無心にうつわを磨く麻子さんのもとへ、誰かが尋ねて来たようです。

あらら!あなたも磨いて欲しいのね。

この子は、我が家のアイドルウオンバットの木彫り君。
オーストラリアのケアンズから車で半日ほど行ったアーティスト村で、田原が一目惚れして連れ帰って来たものです。
目の詰まった木を彫って出来ているので、かなりずっしりと重いです。
旅の始まりに出会ってしまったので、それはそれは脱臼しそうな重さでした。

なんてかわいい丸い身体に、まんまるのお目目。
私は一生この子を手放しませんよ。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

オイルを塗ってもらって嬉しそうなウオンバット君と、うつわたち。
活き活ききらきらとしています。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

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そしたらあれれ?
ウオンバットの家族が、姿の変わってしまったウオンバット君が遠くへいっちゃいそうで、心配で見に来たのでした。
のんびりやのウオンバット君に限って、かっこ良くなったからってみんなを鼻であしらうなんてことはありませんでした。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

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麻子さんにやさしく拭いてもらって、みんな上機嫌。
麻子さんも、もう何だか嬉しくって、家事が遊びへと変わってゆきます。

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

みんな良かったね。
今日のお天気みたいに、心も、うつわも、ウオンバットたちもぴかぴか。

 

暮らしの中の旅日記 お手入れ編

 

最後に余ったオイルで椅子を磨いて、今日のお手入れは終了です。
ウオンバットたちも、楽しそうに見守っています。

日常の暮らしの中の楽しさは、普通の時間の中にこそ。
日常を特別に変えるのは、私たちの気持ち次第。

みなさん楽しい一日を。

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貫入(かんにゅう)と、ひびの違い

 

みなさんは貫入はお好きですか?
私は個人的に柔らかい白地に貫入が入っている陶器が大好きです。

ただ貫入のことを知らないと「ひびが入っている!」とびっくりしてしまうかもしれません。
なので、ブログに「お手入れ」のコーナーをもうけて、焼き物や布のお手入れについての情報を書き込むコーナーを作りましたので、どうぞ参考にされてください。

 

「貫入」とは?

貫入は釉と素地の収縮率の差により、焼成後の冷却時に生じた釉のひび模様のことで、割れる時のひびや傷とは異なります。

通常の陶器は、素地の上に釉薬を施釉してから、釉薬の種類により違いますが1200度から1300度という高温で焼かれます。

その際釉薬は溶けてガラスのような層となって陶器の上を覆います。
焼かれた後に陶器自体の温度が下がっていきますが、その時の収縮度が陶器本体の素地と釉薬との間で違うので、この差が大きいと釉薬がひびのような状態になって固まります。

これを貫入といいます。
冷ましている時に「ピンピン」と音を立てて貫入が入るそうですが、その音がとても美しいそうです。

 

 

「お手入れ法」
個人差はありますが、貫入が好きな人にとっては、この模様の入り方や使っているうちに変化してくる様子がたまらないといいます。

 

まず焼き物を買って来たら、一晩水につけ込みます。
そうすると、茶渋やコーヒー等の色素が乾ききった焼き物の貫入部分に入り込んで一気に染め上げる、という事が回避されます。
その後使いおろして、半年くらいは使う前にさっとゆすいで濡らした後ふいて使うと、貫入が少しずつ染まって行って、ゆっくりといい感じの色に染まってゆきます。

日常的に使ってゆくうちに変化する貫入の模様を「景色を育てる」という心で使ってゆくと、ひときわ愛着のあるものに育ってゆくものです。

 

作家さんによっては、最初から貫入の色を濃くするためにドングリの渋皮を陶器と一緒に漬け込む人や、墨につけて貫入を染める人もいます。

 

もし、最初の雰囲気が好きで、着色を避けたい場合は使用前にお米のとぎ汁で煮沸するとよいと言われています。
この方法は、陶器の強度も増すといわれていますので、興味のある方はどうぞお試し下さい。

 


私自身はといいますと、とぎ汁での煮沸は試した事がないですが、水に浸けてから使っています。
なかなかいい感じで貫入も染まって来て、どれもこれも大切にしたい気持ちも一緒にしみています。

写真は、金継ぎ入りの椀。
お気に入りです。

Shoka:で購入されたもので、お手入れ法や色々何か質問がありましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。

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