色と香り

Shoka: ミナ ペルホネン

モノクロの中に色を探す。

色がないのに、記憶は鮮やかに蘇ってくる。時に白黒の世界の方がたくさんのメッセージをくれる。カラーの写真の方が薄っぺらく見える時だってある。

けれど、本当に美しい瞬間を焼き付けた写真には、その時に漂っていた香りまで香ってくることがある。

それを嗅ぎながら、手繰り寄せてみたいものがある。

ピンクボールの花にはたくさんの生き物たちが引き寄せられる、うぐいす、めじろ、ミツバチ、アブ、アリンコ、アブラムシ、しじみ蝶、ウンモ、クマンバチ。あ、そうそう、人間もいた。

こうして記憶を手繰り寄せてゆくと、虫たちの羽音まで聴こえてくる。

春の羽音が少しづつ。

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気配

通販 ARTS&SCIENCE

誰かが着ているみたいに撮ろうと思う。

いつかこの服を着る人の、未来の気配にアンテナを立てて。

母が言っていた。「私たちはいつかの誰かのために、いいものを探してきてそれを預かっているのよ」と。

いいな、と思うものを見つけた時、その人に会うことを思って少しドキドキする。

知っている人なのか、これから知り合う人なのか?

 

9日に撮影をしているので、これからまたアップして行きますね。

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CALEND-OKINAWAへ記事をアップしました。

calendokinawa160211

「みつばちに誘われて」

CALEND-OKINAWAに記事を掲載しています。
minä perhonen とARTS&SCIENCE の新入荷した春物について書いています。
ぜひ、読んでみてください。

みつばちに誘われて


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夜の灯り

Shoka:

 

どう考えても、夜と昼間の景色は全く別の世界。

闇の中に光がいろんな色を放って浮かんでいるのが夜。

ほとんど見えているのに、陰と海の中と空の果てだけ見えないのが昼。

暗闇の中に浮かぶ灯りは心まで照らしてくれる。

昼間の陰は安息をもたらしてくれる。

写真は、どうやったら闇の中の光が綺麗に撮れるのだろうと、カメラを片手に奮闘したある冬の日の夜の記録。

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習慣の違い

田原あゆみ エッセイ

 

人々が生き交う活気のあるアリーグルの市場。

立派に開いたバラたちが誇らしげに咲き誇っているのは、ある露天の台の上。花を横積みにする習慣が無いのに、その時はバラの色が大人っぽいこと、結構開ききったものが並んでいることに新鮮さを感じた。

今、時間が経って写真を眺めていると、おいおい横積みになっているけどいいのかしら?

お花が潰れるんじゃ無いかしら?

実際下の方は潰れちゃっているよ・・・

そんなことが気になるといえば気になる。

そんな細かなことは、「習慣の違いね」とサラッと流して、あの時に肌が感じた市場の活気と立ち込めている香りを思い出す。

冬の濡れた冷たい空気の臭いと、そこに広がるバラの香り。

あ、習慣の違いだな、というボタンを押すと結構いろんなことが気にならなくなって、感覚で感じていることに集中できる。

大体が頭にストックされている記憶が「気になる」を作っているのだから。

感覚は「今」に集中する入り口だ。

ほら、この香り、立ち込めてきませんか?

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