発酵

Shoka:

世の中には色んな食べ物があるけれど、機械でパックされたものはあまり美しいなとは感じない。もちろん美味しいものもあるけれど。

たまに人間が作ったものの中に、木の実のように完璧な造形美を見る事がある。

昔ながらの作り方で作られたパンの塊・様々な形と色のチーズたち・味噌玉・きな粉ボール・・・

形がシンプルで、表皮に深い味わいがあって、丸い。そうすると木の実のように命を宿しているように秘めた力を感じるのだ。

旅先で出会うチーズはとても魅力的。彼らにはバスティーユで出会った。今日沖縄の街のあるレストランで出てきたチーズの盛り合わせはこの100分の1の量で、頼りなくって微かで、皿が透き通るように薄くスライスされたその子たちは、貧血を起こしたように見えたっけ。

私も一部をバラして開示するのはよそう。一個の塊でいたいのよ。

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北風とコート

Shoka:

びゅーびゅーと、冷たく濡れた北風が沖縄のある丘に吹き荒れています。

太陽は空高く上っているはずなのに分厚い雲の布団が空に蓋をして、海も街も色を無くして白く霞がかかっているのです。

霧雨がコートの繊維の上に小さなつぶつぶを作って鈍く光っている、そんな冬の1日。

コートが好きな人たちは、「寒いね〜〜、南の島とは思えない!」と嬉しそうな笑顔。コートが着れる事が嬉しいのです。

今日はそんな1日でした。

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「オニの話」

田原あゆみ

CALEND-OKINAWAに「オニの話」というエッセイを掲載しました。

節分の日にちなんで新旧のちょっと笑えるお話を書いていますので、ぜひ読んでみてください。

 

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Bon appetit!

Shoka:

今の時代はとても恵まれていて、様々な国のお料理を気分次第で選ぶことができる。ソース文化がベースになったフランスで、シンプルな料理を食べたくなったらイタリアンがいいなと思った。

今この文章を書きながら思うのは、基本に和食があるということのしあわせ。気分次第で様々な食事を楽しむけれど、戻ってくるのは基本にある和の食事。

なんだってきっと、戻るところがあるのはいい。

旅だって、戻る家があるから旅で、戻る家がなければ、それは放浪。

好きで信頼しているブランドや、作り手のもの、お気にいりのcafe、好きなものを集めた部屋の中、家。根をおろした人はきっとどこへ行っても安心して楽しめるのだろう。

そんなことを、あの美味しかった食事の写真を見ながら考えている。

一枚の写真や、絵や、出来事のほんの一瞬のシーンから、無数の物語が生まれるのだ。

今日はどんな1日だろう?

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凛々しさ

Shoka:

たまにおおっというような出会いがある。

この椅子は主人がいるので、買うことはできないけれど目の中にハートが浮かんでしまった。使い込まれた木の感じや、艶、それが凛々しいライオンの姿に収まっている。

この椅子の主人は、この椅子にふさわしい。愛想笑いをしないし、フランスの政治をいろんな視点から見て私に英語で解説してくれた。

私が心と違うレスポンスを返したら、バサっと切られてしまいそうな、いや、私が恥ずかしくなって縮んでしまいそうなそんな威厳を感じさせる人だ。

けれど、彼の奥さんはずば抜けて明るく知的で、パワフルで、彼女が来た途端その主人は拗ねた子供のようになってしまった。

うんうん、この椅子に彫り込まれたのこライオンの凜とした中に、ユーモアが潜んでいて、なんだか憎めないような可愛らしさを感じるのは主人の魂が宿っているからだろう。

凛々しさの裏側にある可愛らしさは人をチャーミングにしてくれる。

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