マガジンハウスから出ている、クロワッサン「これからの、活用品151」に私の紹介しているシューケア用品が掲載されています。
天然由来の素材だけを使って作られた革用品用のクリームの中でも、LEDER PFLEGE CREMEは使いやすくて、私のお気に入りなのです。
まずは私の履き古しのtrippen panをお手入れをご紹介いたしましょう。
panの特徴は、軽やかさ。
後ろは二つに別れて靴底がついていて、真ん中は革が露出したままです。
私は海歩きを何度かしたので、岩場を歩いた時に革の部分に傷がついてしまいました。
今のところは小さな傷なので大丈夫!
そして、靴底の状態も要チェックなのです。
摩擦ですり減っていくので、替え時をきちんと知る事は大切です。
LEDER PFLEGE CREMEは、つや出しと防水を兼ね備えているので、まずは水で洗った後、固く縛った雑巾で靴についた汚れを軽く拭き取ります。
かかとの靴底や、縫い目のあたり、表の革の部分も丁寧に汚れを拭き取っていきます。
マジックテープの間に入り込んだ埃や、糸くずも結構たまっていました。
それはブラシで搔き出しながら指で取り除いていきます。
マジックテープも、ほらこんなにきれいになりました。
トップのTAPIRの靴クリームを柔らかい布につけて、革に薄く伸ばしてゆきます。
右はクリームを塗り終わった後の状態。左側は水拭きが終わった状態です。
クリームが馴染んできたら、今度は布で磨き込んでいきます。磨くとどんどん良い艶が出るのでとてもやりがいある、楽しい作業です。
靴のしわの間に入り込んだクリームはブラシを使って磨きます。
しわの間や、縫い目に入り込んだクリームは白っぽくなっているので、そこをブラシで磨くのです。どんどんきれいになってゆきます。
仕上がりはこんな感じです。
素足で履く事も多いので、中敷も結構色が濃くなってきています。あんまり汚くなったら、修理に出して中敷を新品に替えてもらう事も出来るので安心です。
さあ、来週の月曜日から始まる「お勉強旅行」へ履いてゆこう!防水もしたので、安心です。
ここまでは私の靴ですが、2週間前くらいに持ち込まれたこちらの革のお手入れ方法もお知らせです。
この靴はあるお客様が、クリームを塗ったらシルキーなタッチが潰れてしまった、とSOSがあったもの。この靴は牛革を起毛させたヌバック地をオイルで仕上げたもの。この仕上げの革は、天然のゴムや、豚や馬の毛で出来た専用のブラシで表面をブラッシングするだけで良いのです。防水はシリコンが入っていないタイプの防水スプレーを30cmほど離れたところから吹きかけるのがおすすめです。
さあ、クリーム取るためにまずは固く絞った雑巾で、表面についたクリームをこすり取ってみました。
するとだんだんいらないクリームが取れて、シルキーなタッチが戻ってきました。それに天然ゴムのブラシをかけると、だいぶいい感じに。
こちらは私が使っている天然ゴムのブラシ(左)と、汚れ落としの天然ゴムで出来た消しゴム(右)です。東急ハンズや、大きな靴屋さんで取り扱いがあると思うので、おすすめですよ。
さあ次はまた別のケースです。下の写真を良く見て下さい。
この靴は、ある方が持っていらしたpanの靴。
かかとの靴底(cup)がすり減って、trippenの文字も消えかかっています。糸も切れてしまうほどすり減ったまま履き続けてしまったせいで、革の部分まで擦れて穴があいてしまっています。
靴底がすり減ったまま履き続けてしまったことと、雨の日に濡らしたままで履いた事がきっかけで革の部分が下がってきたのでしょう。こんな風に革が破れてしまったのです。
こちらは、trippenの抱えている職人さんへ修理に出しています。trippenはお修理を良心的なお値段で引き受けているのでとても信頼できます。けれど、この修理時をちゃんと自分でチェックするのはとても大事です。
panの靴を履いている皆さん、この機会に是非靴の裏の状態をチェックしてみて下さい。何かしらトラブルを発見したら、すぐにShoka:へ持ち込んで下さい。
Shoka:に来れる方は、他所で買ったtrippenの靴も持ち込みオッケーですよ。いつでも、なんでもご相談下さいね。