昨日開催した「巡時茶會」
この一年を振り返って、今この時の中に過去と未来が重なるような茶會になるよう名付けました。
一年という一つの周期を見ると、ある人は喜びに満ち溢れた年、またある人にとっては別れと胸の痛みが感覚の淵に常在したような一年、誰かにとっては始まりの年で、ある人にとっては停滞した一年であったかもしれない。
人によってその時の状態は異なるけれど、皆で茶を酌み交わし、胸を開いて語り合えば、集った人のすべての状態が一つになって、いつかの自分の姿をそれぞれの中に垣間見る。
共感しあうことで、様々な人生の景色が重なってゆく。
茶人の谷口ひろみさんの入れるお茶は、おおらかで優しく茶杯のように参加する人々をそっと受け止める。
彼女と旦那様の息のあった心地よい空気感が、くつろぎの場を包んでいるのを感じながらいただくお茶の香ばしさ。ほのかに広がる歯の甘み。
開きかけた菊の花の蕾のお茶は、身体の中に清涼な筋が通ったような気がした。
閉じていた蕾がゆっくりと花開いてゆく。
私たちの口もゆっくりと広がって、楽しい語りとお茶の滋味に舌鼓を打つ。
お茶のある景色のうつくしいこと。
一杯ごとにお花を浮かべて。
ひろみさんの所作がとても綺麗で、じっと見とれてしまう。
有緣千里来相逢
無縁対面不相逢
そのお茶会に合わせて、ひろみさんがみんなに教えてくださった中国の言葉。
「縁のある人は、どんなに離れていても出会うものだ。
縁のない人は、対面しても会うことはない」
今回のお茶会で出会う人々の縁を「茶縁」と呼ぶのだそう。
年末年始、家庭や友人たちとお茶をいただきながら、普段当たり前だと思っている縁の深さを改めて味わってみたい。
お店が終わった後、私たちが茶會を楽しめるようShoka:を切り盛りしたチームにもひろみさんがお茶を淹れてくれました。
あや 感嘆!
麻紀 うっとり
由桂 きらきら
*Shoka:は年内28日5時までの営業となります。明日23日は店休日です*