目に見えるものを支えている何か

                        

エッセイ 田原あゆみ

文字を打ち込んでいると、書いている時とは違う感覚になることがある。打ち間違ったり、校正後に削除した文字はいったいどこへ行くんだろう?

消えるってどういうことなんだろう?、と。

紙に書いた間違いは消しゴムで消すとなんとなく存在感ががそこに残る。

パソコンで打った文字は目には見えなくなってしまうけれど、⌘zを押すと戻ってくるのだ。目には見えないボックスに入っていて、出し入れ自由。

そこはいったいどんなところなんだろう。

水に映った景色は、実物よりも神秘的だ。

私が消してきた文字たちはもしかしたら、書き上げてきたものよりもずっと詩的で、生き生きとしているのかもしれない。

だって、私は良い顔しいだから。

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