渡慶次弘幸氏のお盆。
木自体が、今でも静かに呼吸をしているような、不思議な存在感があります。
ハマセンダンの玉縁盆。
ふわっと軽く持ち上がり、置くと吸い付くように安定します。
美しい木目を生かしたシンプルな盆と、掘り跡の陰影に奥行きを感じる盆。
作家の手で掘られた細やかな表情は、木が本来持っている美しさを消すことなく、
むしろその魅力を引き出しています。
素材と向き合い、耳を澄ますことで、生まれ出るかたち。
このお盆には、作り手と素材、双方が持つエネルギーが共存しているように感じます。
ゆらゆらと海面に浮かぶ月光のようですね。
このお盆とともに、贅沢な時間が過ごせそうです。
12角の柔らかなシルエットが印象的なこちらのお盆。
さきほどの玉縁盆と同じハマセンダンの木から作られています。
角が柔らかく表現されていて、縁の陰影もまた美しいのです。
普段目にする木目の中に、波打つような横しま模様が。
成長する過程で刻まれるこの模様は、育った環境や外的要因などで生まれるものだそう。
私たち人間と同じですね。
この木目に触れながら、なんだかホッとした気持ちになるスタッフなのでした。
いよいよ、企画展は26日(日)までとなっております。
お近くにお越しの際は、ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
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「問う」
小野哲平 陶器
渡慶次弘幸 木の器
山本憲卓 陶器・オブジェ
会期:2021年12月11日(土) 〜26日(日)
時間:12:00〜17:00(会期中 火水定休)