*Calend Okinawaに連載していた田原あゆみの「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち
沖縄では、糸満ハーリーの鐘の音とともに梅雨が明けるといわれているけれど、今週に入ってからだいぶ夏らしい陽射しになりました。
みなさまはいかがお過ごしですか?
私は初夏のお出かけ展の合間を縫って、1泊2日のショートトリップをしてきました。
沖縄本島よりも南に位置する南の島。
初めて訪れる与那国島へ。
たった2日間ではあったけれど、降ったり止んだりの梅雨の合間の散策は、雨を避けるために立ち止まる事も多く、いつもより景色をじっと見入る時間がふんだんにあった。
牧場に咲いていた野バラ。
濡れた岩肌とのコントラストがとてもきれい。
普段の頭の中が雑念で一杯の時には、きっと見過ごしてしまう季節の花。
石垣島の牧場に咲いていた野バラは、葉っぱの形は似ているのに、花が全く違う。
大輪の花が一輪ひらりと咲いていた。
2日間とにかく海辺を歩いた。
時々、目の前にある砂の白さや、海水の透明感に目を奪われる。
沖縄本島では中々見る事の出来なくなってしまった、怖いくらいの透明感。
澄んでいて、海の中が丸見えなので生物たちがうごめいているのが見てとれる神秘の海。
子供の頃に感じた力強い海が、与那国島には残っている。
うつくしくて、怖くて、魔力を感じる自然の美。
引き潮になると、生き生きとした珊瑚があちらこちらに。
なんて不思議な形と色。
一つとして同じものが無い不思議。
生きている珊瑚の中には、珊瑚虫が住んでいてカルシュウムを吐き出して珊瑚を建設しながら共生しているのだという。
不思議な不思議な海の中。
陸に住む私たちの世界とは別世界が広がっている。
その入り口が、すぐそこにあるのが生々しく感じられる、そんな海。
雨が降る中泳いでみたら、ひんやりとした海水が身体を通り抜けていくようだ。
好奇心旺盛な馬や牛。
距離をある程度保ちながら、私も、彼らもじっとお互いを見入る。
空気中の水分が、動物や、草や、花や、砂や、海と私の間をベールのように覆っていて、全部がつながっている様な感覚になる。
梅雨の季節の与那国島の旅は、野性的で、有機的で、しっとりとしたものでした。
1泊2日の短い旅だったけれど、ずっと海にいたせいかしっかりと旅した気分になった。
ただ今変化の時で、必要だったリフレッシュ。
与那国島と、私の徘徊を許してくれたShoka:のメンバーに感謝。
Shoka:だより
写真 文 倉富麻紀
Shoka:では、6月15日(日)までゴートメッシュの雑貨たちに触れる事が出来ます。
trippenの靴や、コットンやリネンの夏服も揃っています。
そよ風になびく様な、軽やかなコットン素材のドレスはARTS&SCIENCEのもの。
さわやかな水色に目が洗われるみたいです。
そうそう、私はまだ使った事は無いのですが、愛着を持って使い込まれたバッグに目が奪われる事があります。
Shoka: では、入店時にゆっくりと見て頂くためにお客様のバッグやお手荷物をお預かりしています。
その時に、大事に使われている様々な素材のバッグや、現在企画展で扱っているゴートメッシュのバッグを目にすることがあるのです。
きっとお気に入りで使い込んでいるからなのでしょう、新品の時とは違う艶や、柔らかさが出ていて表情が育っているのが伝わってきます。
そんな時は、凄く胸がわくわく。
不思議な輝きを放つそのバッグたちにクラクラ…
そしてバッグの持ち主様は、みなさん素敵な方ばかり。
大事そうに、愛おしそうにバッグを抱っこ。
「もう、14、5年は持っているのよ~」と、はにかんだ笑顔でおっしゃっていました。
物を大切に長く使っているという事は、最初に惚れ込んだからこそ。
それこそ、相性のいい親友と一緒いいる感じなのでしょう。
そんな親友と一緒にパチリ。
お客様のはにかんだ笑顔もどこか誇らしげです。
暮らしを楽しむものとこと
Shoka: