宿る

昔から木には神様が宿ると聞いたことがありますが、クロヌマさんの木彫たちにも魂が宿っているように感じます。
それは決して近寄りがたいものでは無く、私たちにそっと語りかけているかのような穏やかで優しい佇まいをしています。

クロヌマさんの作品を見ていると、何かに呼ばれているような不思議な感覚になります。
これは個人的な感覚なので説明が難しいのですが、
見る人はきっと、作品を通して作者の気配を感じとり、そこから自分と共鳴するものを探してみては、新しい感覚を掴んだり、または何かを思い出させてくれたりと、感じるものは人それぞれにあるのだと思います。

みなさんの瞳にはどのように映り、何を感じるのでしょう。

クロヌマタカトシ

クロヌマタカトシ

夕暮れ時になると、その存在感がより色濃く感じられるクロヌマさんの木彫たち。
時間の流れでその表情や纏う空気が変化するのも、彫刻作品の魅力のひとつですね。

クロヌマタカトシ氏の個展「気配」は、7月7日(日)までとなっています。
木彫作品の他にも、粘土や植物を用いた作品もございます。
お一人でも多くの方に触れていただきたい素晴らしい世界です。
ご家族と、ご友人と、もちろんお一人でも!比屋根の丘まで足をお運びいただけたら嬉しいです。

カテゴリー: rugü essay, 日々 タグ: , , パーマリンク

白い風

クロヌマタカトシ 企画展 気配 Shoka: 沖縄 木彫 美術館

手足の指先までも、心地よく初夏の風になびいているよう。

優しく美しい景色、吹き抜ける風も、わたしたちのまぶたの奥に映ります。

クロヌマタカトシ 企画展 気配 Shoka: 沖縄 木彫 美術館

カテゴリー: rugü essay, 日々 タグ: , , , , パーマリンク

記憶

クロヌマタカトシ 羊 Shoka:

寝息が聴こえてくるような安心感。

私が寝ているわけではないのに、和む。

クロヌマさん曰く

「この羊たちにはモデルがいるのです。近所の牧場へ行って観察していると、だいたい彼らは寝ているか、草を食んでいるか。その二つしかないんですよ」

微笑みながら話してくれたそのことと、羊たちの持つ記憶をこの木彫作品から感じている。

人に守られ共に暮らし、柔らかい陽射しを受けながら草を食む。

あるときは曇り空の下、風に吹かれながら草を食む。

屋根の下で丸くなって眠る。

安息と、寛ぎを感じるのは彼らが守られているからなのだろう。

そのふんわりしたウールをおすそ分けしてもらって、冬の日に羊毛ニットに抱かれることと、この子を見ていることはなんだか似ている。

ふふふ

「眠る羊 ¥151,200」

陽の光に見守られて、いっぱいお食べ。

クロヌマタカトシ氏の羊の木彫作品からは、しあわせな記憶が流れてくる。

私にとってこの子たちは、まるで音楽のように暮らしの中に豊かさをもたらす存在なのです。

彼らの羊飼いになりませんか?

「草食む羊 ¥151,200」

田原あゆみ

カテゴリー: rugü essay, 日々 タグ: , , パーマリンク

旅の足跡

クロヌマタカトシ 企画展 気配 Shoka: 沖縄 木彫 美術館

こんにちは。
梅雨が明けて、夏の気配が深まってきましたね。
クロヌマタカトシ木彫展、三日目となりました。

連日たくさんの方にお越しいただき、じっくりと空間を楽しんでくださってわたしたちもとても嬉しく感じております。

ほんとうにありがとうございます。

今日も健やかな空模様。
はじけるような日差しと青空の下を歩き、Shoka:へ入ると静かな空間が待っていました。

静けさの中でじっと作品を眺めていると、窓の向こうに聞こえる蝉の声も不思議に感じてくるのです。

この古びた小さな礼拝堂はクロヌマさんが、ヨーロッパを旅した時の記憶の足跡。

クロヌマさんがみた景色も、その時に感じた情緒も、一緒に彫り込まれているような佇まいです。

素材に感じた直感と対話するように、作り込みすぎず作らなさすぎず表現できることはほんとうに稀有なことだとクロヌマさんの作品をみていて感じます。
彼が旅をしたときの景色が、みた人の目の奥にも広がるような作品です。

作品すべてがそれぞれが違った情緒を纏い、それぞれの居場所を持って同じ空間に存在していることも美しく、たくさんの方に体感していただけるととても嬉しいです。

ぜひ、穏やかで静かな時間を過ごしにいらしてくださいね。

クロヌマタカトシ 企画展 気配 Shoka: 沖縄 木彫 美術館

桑田

カテゴリー: rugü essay, 日々 タグ: , , , , パーマリンク

静かな時間

クロヌマタカトシ 企画展 気配 Shoka: 沖縄 木彫 美術館

昨日から始まっておりますクロヌマタカトシ氏の個展「気配」

初日多くの方に足をお運び頂きありがとうございました。
そこに在るだけで空間の空気が変わってしまうような存在のように感じます。

描写が凄いというだけではなく、その捉え方が素晴らしい。
クロヌマさんの作品の中でもけたたましいほどのノックを鳴らす力強いもの

 クロヌマタカトシ 企画展 気配 Shoka: 沖縄 木彫 美術館

成熟した一匹の狼。
鋭い目線で相手との距離をはかっているような。

自分の中の誰かとこの狼とが呼応し合う瞬間がきっとあるのだと思います。

息遣いまでも聞こえる作品は、どこに置いても馴染むわけでは無くてある意味、作品に私たちの方が選ばれてしまう。
これは、私が感じたことです。

作品から感じるものは自由で果てしなくていいのです。どう感じても不正解は無く、出会い作品を通して受け取る機会があるということが幸せなことなのではないでしょうか。

今日は真っ青な空ですね。
昨日はほっこりとした羊の顔を眺めて談笑される方、美しい女性像や建物の作品に旅の思い出を重ねる方、静かで憩いの時間が流れていました。
どうぞ皆様お誘い合せの上、足をお運び頂き、思い思いに味わってみて下さいね。

きんじょうゆか

カテゴリー: rugü essay, 日々 タグ: , , , パーマリンク