2015備忘録「日々の笑顔、旅の笑顔」カレンド沖縄より転載

田原あゆみエッセイ

2015年、Shoka:は今日が最終開店日。明日はから1月2日までが年末年始のお休みとなっています。

この記事はカレンド沖縄へ掲載された、オーナー田原の今年最後の記事となっています。様々な表情の中でも人の心をふんわりと解放してくれる笑顔のことを書きました。

:::::::::以下掲載文:::::::

笑顔を惜しみなく出す人は口角が上がっていて、顔の筋肉をよく使うせいか肌にハリと艶を感じる。

楽しく一緒に入れる人たちを意識してみていると、笑うことの好きな人たちが多いこと気づいた。
皆口元が笑いたそうに上がっていて、目がなあに?と笑いを求めているのだ。

本人は決して他人が見ているようには自分の顔を見ることができないと聞いて少しショックを受けた。

自分の本当の顔は一生見ることができないのだ。

なる程鏡に映っている顔は左右が逆になっている。

それと一緒で、写真を撮ってもそれは左右が逆。湖の水面に映った顔を覗き込んでも同じこと。

そう私たちは自分自信の顔を他人が見るようにちゃんと見ることができないのだ。聞いてはいたけれど、そのことにしっかりと気づいたのは今年に入ってからのこと。

田原あゆみエッセイ

そうやって考えると、私たちの顔の表情は外に向かって発信されていることに気づく。

内面を向き合う人に伝える掲示板のようなものなのだ。齢を重ねて行くと、鏡を見る時間が減っていって、いそがしい時期だと特に自分の顔を見る時間は減るばかり。

自分がどんな表情で笑っているのか、無意識の時の表情がどうなっているのか自分ではわからないけれど、そばにいる人の一言でハッとすることは多々ある。

ある日家で一緒に映画を見ていた娘がふと私の顔を見て大笑い。笑いが止まらなくなってしまった。なんでも私が夢中になって何かを見ているとき、登場人物の表情とかすかに共鳴しているのがたまらなかったらしい。
格闘シーンでは目を見開いて、口をぐっと突き出していたり、悲しいシーンでは眉間に深くしわを寄せて、口は一文字に閉じている。
あまりに無防備に入り込んでいるのがとてもおかしかったらしく、笑いすぎて泣いていた。

自分では気がつかないけれど、こうやって私たちは誰かに内面を無意識に、ある時は意識的に見せている。人を撮るのが好きなのに気がついたのは、撮った写真のほとんどがポートレイトだったことからわかった。こっちを向いて、と声をかけて撮るのはどちらかというと嫌いで、相手が自然に何かをしている時の表情を捉えるのが好きだ。

今年は飛行機に乗って遠くへ行くことが多かったので、いろんなところでいろんな人を写真に収めた。

田原あゆみエッセイ

人生の後半をのびのびと、彼女らしく過ごしていることを感じさせてくれた。その表情は落ち着いていて、深い。

起こった様々なことを、常識で処理せずに自分の感覚で捉えて昇華してきた人の持つ知性を感じる笑顔だ。

自分自身が彼女と同じくらいの齢になった時にどんな笑顔をしているのだろう。

こんな風に柔らかな笑顔を浮かべ、今という瞬間にのびのびと身を委ねて楽しんでいたい。

田原あゆみエッセイ

彼女は出会った時からずっと、冒険家で好奇心旺盛でかっこいい。

しかもいつだって女性であることを楽しんでいる。

笑顔もいいし笑い声が元気よくってまたいいのだ。

田原あゆみエッセイ

西フランスのMelleで、市長さんの家に4泊お世話になった。

発つ時に家族総出で見送ってくれた時、村長さんの孫が嬉しそうにニコニコと見送ってくれた。いつもはおばあちゃんと一緒で、その影から恥ずかしそうに私たちを見つめていたけれど、この日はパパと一緒だったせいか安心しきったキュートな笑顔。

笑顔を見るとこっちまで嬉しくなって、相手の喜びが流れ込んでくる。

田原あゆみエッセイ

屈託のない自然な笑顔はあなたに心を開いていますよ、というメッセージなのだろう。

なんだか流れに乗れていない時や、ストレスを感じている時、自分じゃない誰かのせいで物事が上手くいかない、そう思い込んでいる時。表情は硬くて、本当に口がへの字になる。

きっと本人は自分のそんな表情をちゃんと鏡で見たことがないのかもしれないし、鏡をちゃんと見る心の余裕もなくなっているのかもしれない。
けれど、口角が下がってへの字になった口からはやっぱり、笑顔が消えて眉間にしわを寄せるしかないような言葉が溢れてくるものだ。

けれど誰にだって、そんな時期はある。

悲しいことも、苦しいことも、上手くいかない時期もある。
私も自分が撮った写真を見つめていて、笑顔のポートレイトが少ない時期があることに気がついた。
なんだかおセンチな感じ。
私の気持ちが目の前の人に映るから、相手の表情は自分のものでもあるのだ。

田原あゆみエッセイ

おおらかな笑顔の彼女はこの写真を撮る2時間前に、滑って転んで手首を骨折。

けれどこの笑顔。
40人分の料理をサーブして、イベントに来てくれた人々と歓談。翌日にぐるぐるにギブスを巻いて現れた時に、やっと本当だったんだな、と納得。

底力を感じる。見ていると、楽しくて、おかしくて、愛おしくなる。

そして人ってとっても面白いな、と思う。

田原あゆみエッセイ

カメラ目線も時にはいい。

最初、「私たちって似ていると思わない?」と、年長の彼女が聞いてきた時、「え?どこが?」と実は心の中でつぶやいた。
後になって写真を見直すと、なる程茶目っ気のある目の辺りと全体の印象が似ているかも、と思う。
親子のようにどこか似ている二人。

笑顔の7割が口元の右の彼女と、目と口が一緒に笑う左の彼女。私もきっと両方で笑う方。

口を意識して笑うと、バランスが美しい。よしよし、取り入れてみよう。

田原あゆみエッセイ

大好きなお料理が目の前に。

そんな時のえくぼ。いいなあ。

えくぼが出来る笑顔はまた格段に目の前の人を溶かしてしまう。

ほっこり、にっこり、ふんわり、そんな印象の女の子はもうすぐ女性と呼ばれるお年頃。
この笑顔にメロっときて何度貢いだことか・・・(ちなみにわたしの娘です)。

生まれ変わったら、わたしもえくぼのふんわり系になってみたい。

田原あゆみエッセイ

今年の笑顔で一番印象に残ったのは、この写真の彼女。

なんていい笑顔なのでしょう。

ガラス作家の小野田郁子ちゃん。おらかさと力強さ、輝くばかりの笑顔は周りの人を元気にしてくれます。楽しさがどんどん伝染してゆくそんな笑顔。

 

田原あゆみエッセイ

この写真は美味しさをたどる好奇心の微笑みと、いただきますの待ちきれない笑顔。

そして美味しい食事がどれだけ人を解放するか、というような笑顔。

 

 

田原あゆみエッセイ

美味しくて、目からキラキラが出てしまっているのはShoka:のあやちゃん。

あまりに目が綺麗なので、たまにくらっときてしまいます。

 

吸い込まれるというのか、目のスパークリングがこっちの目に飛んでくるようなお星様キラキラ笑顔。

田原あゆみエッセイ

いつもなんだか面白いことが飛び出してきそうな彼女は、Shoka:のまきちゃん。

身近に笑いのツボがハモる人がいるのは幸せなことだと思いませんか?

 

ぽろっとこぼれる一言が面白くって、私たちはついつい思い出してまた笑ったり、長くじわじわ楽しめるのが彼女の笑い玉。
口元から飛び出しているのが見えるようだと思いませんか?

田原あゆみエッセイ

そして、お目々キラキラと口元から笑い玉の二人に挟まれているのが、Shoka:の由桂ちゃん。

彼女は口元も目元も一緒に笑うタイプだけれど、全く顔が崩れなくてなんだか子供のような屈託のない笑顔。Shoka:に入るまであまり笑わなかったという彼女は、最初の頃帰り道で顔が筋肉痛なのを感じたのだそう。

 

そうです。笑顔は筋肉を使うのです。

表情筋を一番使うのがこの笑顔。口元が上に上がることで顔全体の筋肉が連動的に動いて笑顔を作ります。筋肉は私たちの体の中でも使えば年をとっても、鍛え続けることができる組織。

自然に笑みがこぼれる時間を多く過ごしたら、きっと顔の老化も吹き飛ぶだろう。

写真を見ながら振り返ってみると、2015年は自分らしい笑顔に再会したような一年だった。人との再会、新たな出会い、再発見、そんなことが散らばっていて、力強い1年という印象。あと2週間でこの2015年も終わりを迎え、新たな年を迎えます。まだまだ年の瀬を実感してはいないけれど「暮らしの中の旅日記」も再会して半年あまり。今年最後の記事となりました。最後の記事は今年一年の笑顔の備忘録。読んでくださったみなさまに感謝を送ります。

今年一年を共に過ごしたみなさん、その友人知人を通してきっと繋がっているだろうみなさんのこの一年の終わりが楽しいものとなりますように。

みなさまにとって、2016年が笑顔あふれる素晴らしい一年となることを心から願っています。

田原あゆみエッセイ

来年は1月6日にパリからの旅日記をお送りします。

 

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CALEND-OKINAWAへ記事をアップしました。

calendokinawa151224

「Shoka:のいちねん」

CALEND-OKINAWAに記事を掲載しています。

12月20日にShoka: にて開催された台湾茶のお茶会と、trippenのブーツについて書いています。
ぜひ、読んでみてください。

Shoka:のいちねん


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お茶会に一席空きが出ました

Shoka: 台湾茶

とてもラッキーなお知らせです。お茶会に一席空きができました。

今茶会のタイトルの「一陽来復」というのは冬至を表す言葉です。この日に陰が極まって陽が生まれるということから、気持ちを暗くするような出来事が一通り終わって、物事がいい方向へと転じてゆくという意味があります。その為のお茶会一体どんな方がいらっしゃるのかとても楽しみです。

2015年の年末に、台湾茶の新鮮な気で今までの出来事を洗い流し、喜びや希望が入り込む間を参加するみなさんと作れたらと思っています。

日時 12月20日(日)16:00~18:00 ※終了いたしました。

場所 Shoka:

定員 1席空きが出ました 満席となりました。ありがとうございます。

料金 2,500円 台湾茶2~3種類とお菓子、講師谷口ひろみさんのお話しと、Shoka:オーナー田原のお話し付き

講師 谷口ひろみ

 

申し込み方法

1.参加者名(全員のお名前を書いて下さい)

2.人数

3.連絡先 (代表者メールアドレス、ご住所)

4.代表者携帯電話番号

5.車の台数(駐車スペースに限りがございますので、出来る限り乗り合わせのご協力をお願いいたします)

メールのタイトルに「お茶会参加希望」と必ず書いて下さい。

申し込み先 Shoka: スタッフまで

 

*以下の点にご注意下さい*

◯必ずメールにてお申し込みください。

◯16歳以上の参加となっていますことをご了解下さいませ。

◯駐車スペースが限られていますため、車でいらっしゃる方はできるだけ乗り合せのご協力をお願いします。

◯先着順で定員に達し次第、締め切りとさせて頂きます。

◯ご予約のメールを頂きました後、こちらから返信を持ちまして予約完了といたします。

◎2日たっても返信が届かない場合は、お手数ですが、098–932–0791 Shoka: までご連絡下さいますようお願いいたします。

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ナポレオンのエジプト誌

ナポレオン エジプト誌 

パリで出会ったものたちの中でもとても印象に残っていて感動したのがこの一枚の挿絵。

敷居の高いコレクターのムッシュのお店で、えいやっと勇気を出してやりとりをして大きなカントを開いて、たくさんの挿絵を見せてもらった。2時間近くかけて様々なジャンルの挿絵を見た中でこの古句て大きな版画に惹かれた。

ムッシュは目を輝かせて、「君はとても運がいい。これは状態もよくて素晴らしいものだ。ナポレオンのエジプト遠征の時にまとめた本の一ページだよ」と。

1798年、ナポレオンがエジプトへ遠征に行った時に彼は150人の学術調査団を連れて行った。そしてエジプトの古代の遺跡・動植物・地質・チリ・生活用具や服装・音楽や楽器・風習に至るまで事細かに調査し記録した。そして14年かけて400人の版画誌にその記録を起こして「エジプト誌」を刊行したのだ。大型本全24巻894葉にも及ぶ博物誌だ。

その中でも「博物誌-  Description de’l’Egypte 」の中の鉱物の版画の評価はとても高いそうだ。

その時この絵を見つめながら、私はものすごい時間の流れの中に自分が存在していることが不思議な感覚となって、押し寄せてきたのを覚えている。

白黒だからこそ、深みを感じる。実際のものを忠実に再現している職人の仕事というのがまたいい。大自然と膨大な時間が作った自然の中の芸術が際立つからだ。

これを手放すのは実に惜しい。が、私は好きなものや感動したものを誰かに見せたりそのストーリーをシェアするのに喜びを感じる人間だ。だからこそ今の仕事が天職だと思っている。秘蔵にせずにShoka:に並べてたくさんの人に見て欲しい。

店に出すからには、ちゃんと値段をつけなさいと師匠の一人から言われ最もだと思いそうすることを肝に命じている。

これを家の中のどこかに飾れる人は非常に幸運だと思います。

以下にナポレオンが刊行を命じた「エジプト誌 Description de’l’Egypte 」についてのリンクを貼ります。

Description de’l’Egypte

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「輝きの奥へ」

CALEND-OKINAWAに記事を掲載しています。

ヨーガン レールのjewelryや、ヨーロッパのアンティークの魅力について書いています。
ぜひ、読んでみてください。

輝きの奥へ


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