銀のスプーン

長谷川まみ Shoka:

長谷川まみさんの銀色のスプーン。

鍛金で仕上げられたスプーンは少しづつ形が違っていて、表面の揺るぎがとても美しい。

自分の一本を大事に使う、そんなスプーンだ。

じっと見つめていたくなる。小さなスプーンの表面にさまざまな景色が見えてくるようだ。

 

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ガベの上はくつろぎの場所

赤木智子 生活道具店 Shoka:

ほっと一息。

お茶を頂く時間の贅沢。

ガベの上にお盆を乗せて、ついでに私もよっこらしょ。

赤木智子 生活道具店 Shoka:

このガベにはたくさんの模様が入っている。

まるでさまざまなガベを並べたみたい。

赤木智子 生活道具店 Shoka:

一つ一つの模様が一枚のガベだというふうに見てみたら、たくさんのガベが一つになったようにも見える。

高い技術と、遊び心がないとこのガベにはならないのだろう。

夏は放熱してくれて、冬は保温をしてくれる。

遊牧民が住む砂漠地帯に住む羊たちの毛は昼は炎天下の太陽から体を守り放熱し、気温がぐっと下がる夜は体温を保温するという。

そんな羊毛の特性が活かされていることを思うととても愛しくなる。

ガベの上で、私は砂漠を旅するように柄を眺める。

ほっと一息の時間。

赤木智子の生活道具店 ガベ

魚が泳いでいるガベもあるのです。

 

 

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智子さんと、生きている道具のお話

赤木智子の生活道具店 Shoka: 

智子さんのお母さんは、「女の人は結婚したら炊事や洗濯はどうせ一生やらなくちゃいけないから、それまではしなくていいよ」と言って、実家を出るまでの間一切炊事もお洗濯もさせなかったのだそう。

「だから、結婚してお料理を作った時にそれがとっても楽しかったの。まるで化学の実験のようにこうしたらどうなる、とか、ああこんなことをしたらこんな味になるんだって、やること全部が楽しく感じたの」

大きな身振り手振りで、笑ったり、立ったり座ったり、智子さんは無邪気に嬉しそうに言葉を紡ぐ。

きっとお母さんは、智子さんに似ていたんだろうな。

自分の今を、ちゃんと自分で選択してまっすぐな心で向き合う。

そして、誰かのせいにするんじゃなくて選んだプロセスや結果を楽しもう、全部味わっちゃわなきゃ損、と受け止める。

今では夫の塗師、赤木明登さんと一緒に赤木工房を切り盛りし、6人の弟子と家族との生活の中で、6~10人分の食事を毎食作り、せっせと家事に勤しむ暮らし。お母さんが言っていたように、現代の普通の主婦の何倍もの家事を一手に引き受けている。

 

赤木智子の生活道具店 Shoka: 

輪島の自然は雄大で、日本の四季の美しさが際立っていてこんなところで暮らしていることのありがたさを、春の新緑、冬の雪、能登の海の恵みや、旬の食材たちに感じるのだそう。

赤木智子の生活道具店 Shoka:

まだ子供が小さかった頃南国に憧れて、石垣島へ一ヶ月滞在して別荘を探したことがあるのだそう。そこから輪島に帰ってきた時能登半島に12月の雪が降り始めた。それがあまりに美しく、日本の自然の美しさがの頃この土地こそが自分の居場所だと実感したのだという。

「人は目で見ることが本当に大事だと思うんです。何を見てきたかということがその人にたくさんの恵みをくれると思う。それは自然もそうだし、暮らしの中で日々手に取るもの、いただくものの美しさも同じだと思うんです」

 

赤木智子の生活道具店 Shoka: 

「こんなに大所帯で来客も多い中で家事をこなしていることを、大変ですね、そう言う人もいるんだけれど、私は自分の前にあるものを全部いただいて楽しもう、触感や、視覚、聴覚、味覚、五感で感じるものを味わいつくしたい、それを楽しみたい、そう思っているんです」

道具店に参加している上泉秀人の大きなしのぎ湯呑みは、持った時に陶器のひんやりとした感触にしのぎの大胆な手触り。箸立てにしたくなるような大きさなのだけれど、手にした時に、おおっとなるほどぐっとくる。なんだか楽しくなるのだ。

智子さんはこの湯呑みにたっぷりとミルクティーを入れて両手に持っていただくのが日課なのだそう。それは自分の生活の中でとても嬉しい時間なのだそう。

赤木智子の生活道具店 Shoka: 

りんごがあるから季節は秋だろうか。木漏れ日に紅葉の影。瑞々しい風が吹き抜けているような景色は、赤木家のデッキ。

とにかく食いしん坊だという赤木夫婦は海のものも山のものも畑のものも、旬の食材を求めて楽しそうに舌鼓。食材を生かしてお料理したら、大好きな器によそって視覚も楽しむ。

器の上の料理も、器自身もともに美しく調和する、そんな漆器を作ろうと。赤木さんの漆器の良さは五感を使える食いしん坊だからこその探求あっての結果なのだろう。

昨日は「赤木智子の道具店」初日。

夕方18:30からお話会を開催た時の内容を報告しています。

お話を聴いていて、この世の中には大きな意志があることを実感した。編集者であり、言葉やメディアでどう表現したらメッセージが届くのかを知っている赤木明登さんが27歳で輪島の漆職人の世界に飛び込んだこと。

80年代後半から5年あまり精魂込めて働いたギャラリーの仕事の中で智子さんが培ったこと。表現主義の作品の時代から、生活に寄り添う器たちが美しいものであって欲しい、それを発信していきたい。そう感じた矢先に職人宣言をした夫にそれからの5年間を貸そうと決めて、移住を快諾。小さな娘と3人で都会の生活から大地に限りなく近い田舎の生活の中へ飛び込んだ。

「手でできる仕事って、いろんなものが育ったり、失敗したり成功したり、それが体感できることがとにかく楽しかった。手ってすごい!そう感じると細胞がどんどん元気になっていったの」

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「暮らしの中に大好きな物事があればあるほど、自分が喜びを実感できる。それってとても大切なことだと思いませんか?」

輪島の自然や脈々と流れる漆器の歴史。それらが一つの大きな意志を持っていて、その未来を生かすために二人を選び引き寄せた。

そんなふうに私は感じたのです。

赤木智子の生活道具店 Shoka: 辻和美

一昨年の春に赤木家を訪れた時、智子さんの暮らしの中にある器や箒、壁にかける絵や家具たち、そのどれも生き生きとしていることを感じた。

どれもちゃんと自分の役目があって、智子さんの手に取られることを嬉しそうに待っている。だからあの空間は空気の流れが良くて、健康で、にこにこと笑っているみたいだと。

「私は道具たちを家族のようだと思っているのです」

「うちの食器棚」という企画展に棚ごとほとんどの食器を貸し出した時、久しぶりに帰ってきたいつもの道具たちに対面した時に「ここにいたのね〜〜〜〜〜〜」と自然に言葉が出てきた、と。

 

そんな智子さんが選んだ道具たちがShoka:にやってきています。

Shoka: 赤木智子の生活道具店

箒も靴下も、ガベたちも、器もみんな恋しそうにいつかで会える主を待っています。

視覚、触感いろいろな感覚で、暮らしに寄り添う道具たちをご覧あれ。

 

「赤木智子の生活道具店」

6月26日(金)〜7月5日(日)

及源の南部鉄フライパン

白木屋伝兵衛のたわし・ちりとり

上泉秀人の大きなしのぎ湯呑み

小野哲平の小皿

大村剛の小さな片口

晴耕社ガラス工房のコップ

野田琺瑯の洗い桶

内田鋼一の小さい箱

ギャラリーONOのガベ

長谷川まみの銀のスプーンとミルクピッチャー

井畑勝江の湯呑み

新宮州三のくりもの

ヤオイタカスミのワンピースと子供服

岩谷雪子の箒

広川絵麻の湯呑みと蓋物

秋田小夜子のティーポット

壺田亜矢のそば猪口と片口

高澤ろうそく店の和ろうそく

佃眞吾の我谷盆

辻和美の大きな片口とグラス

安藤明子のガーゼのものとサロン

早川ユミのスカート

mon sakata のTシャツ

アンティパストの靴下

秋野ちひろの金属のかけら

トラネコボンボンの図録とポストカード

松林誠の版画

浅井庸佑のちょく

山田次郎の中津箒

CLASKA+彦坂木版工房のパンのノート

赤木明登のぬりもの

輪島のお菓子

赤木智子の生活道具店 Shoka: 

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作り手の存在感

内田鋼一 Shoka:

内田鋼一さんの作品。

茶事に使ってもよし、日常の中で使うなら薬味入れか。

もっと近くに置いて眺めていたい。

デスクの上の手の届く場所。

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ものから伝わる作り手の存在 1

赤木智子の生活道具店 Shoka: 辻和美

ガラス作家辻和美さんの大きな吹きガラスのピッチャーは一人では作れないので、専門の職人さんと二人がかりで作るのだそう。

りんごがたくさん入る大きさで、これをめがけてきた人たちがひるむようなサイズ。

辻和美 赤木智子の生活道具店

雨宮さんが撮影したこの写真に惹かれて、会うのを楽しみにしていた私。

確かに大きなりんごを入れてもこんなに入るのですから、大きいんですよね。

辻和美さんのスケールの大きさや大胆さ、ずば抜けたセンス。そしてユーモアを感じる作品です。

 

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