フランスを旅して感じるのは、人から聞いていた情報があてにならないということ。
特に、Parisの人は高飛車だとか、愛想がない、謝らないよ、というのは全くもって違った。お店の人々は一見気難しそうに見える。愛想笑いをしないから。
けれど、こちらが「あなたの仕事を拝見させてください」という気持ちをもって、ボンジュールムッシュー・ボンジュールマダム、と笑顔で目を見て挨拶をすると、とても嬉しそうに絵がをを向けてくれる。
商品のことを聞いてみると、すごい勢いで情熱的に解説してくれる。お店の人も、お客も対等な人としてのコミュニケーションが基本にあることを感じた。
今回いろんなものを見て回って面白かったのが、古い書物の中に入っている版画の挿絵をフランス人はとても愛していて、収集しているということ。
16~18世紀のものは手で版画されていて、色も面白く現代の印刷よりもずっと深い味わいがあるのです。それを収集するのはまさしくフレンチだとこのお店の人たちは誇りをもって語っていました。
私はなかなか絵を壁に飾りたいとは思わない口なのですが、今回巡り合ったものの中には、これだったら額装して飾りたい、見つめていたいと思うものに出会えました。
絵やイラストよりも生々しさがなく、抑えた向こうに時間の層を感じるもの。なかなか面白い世界をひとつ見つけてしまいました。
12月までに額装を完成させて、皆さんのお目にかけますね。