「わたし」の幸せな仕事
2011.12.15
写真と文 田原あゆみ
人は意外な事に心を奪われる。
思ってもいなかったようなことが起きると、強烈に興味をそそられる。
そして出来なかった事が出来るようになる体験は、数ある喜びの中でも大きい。
minä perhonenのチーフテキスタイルデザイナーである皆川明氏に、この仕事を選んだきっかけや動機について訪ねてみた。
「一人の人間が何かをやり続けた時にどうなってゆくのだろう、という事に興味があった。出来る事をやるのは出来るという事を積み上げるだけ。それはつまらない。
うまく出来ない事をやり続けるプロセスの中にこそ出来てゆくという体験があるし、意味があると感じる。
仕事は何でもよかった」
と。
意外な返答に、どんどん惹き付けられてゆく。
出来なかった事をその先を見据えながら続ける事で、出来るようになってゆく。
そのプロセスの中で、自分も仕事も成長してゆく。
そうすると、次の世界が見えて来て、その先を目標にする。
そうやって続けた30年先、40年先に待っている景色を思うと心が躍る。
100年先に思いを馳せながら、積み重ねられて行く仕事。
その中で自分が受け持つ30年はどうしようか?と考える。
そうするとやる事が見えてくる。
自分がいつかバトンを渡す、その次世代の見ているであろう景色に思いを馳せて、心が躍る。
皆川氏のことばを反芻しながら、私もその未来を感じ、その未来の輝きを発見する。
minä perhonenの仕事場では、部門の責任者はいるが仕事に垣根はないという。
テキスタイルデザイナーの一人が映像を撮ったり、インターナショナル営業担当者がディスプレイをしたり企画を練ったり、何でもやるのだそう。
皆川氏の実践が作った空気だ。
そんな仕事場だからこそ、活気があり、喜びが溢れている。
働いている人達も空間も生き生きと輝いていて、幸せな気持ちになる。
そこからうまれてくる、minä perhonenの服たちは喜びに染まっている。
それは私たちにも伝染する。
成長したい、学びたいという欲求を強く持つのが人間だという。
自分を「出来る事」から様々な活動の中に解放する。
手探りで、自分の中の答えを見いだし続ける。
プロセスの中に喜びを見いだしながら、進行してゆく。
湧き上がってくるものに形を与えてみる。
未来を、形の中に解放してみる。
Shoka:のうつわの中に、minä perhonenの世界がどんどん注がれてきました。
その世界に、一人でも多くの人が触れて欲しいと感じています。
2011年12月16日(金)~25日(日)
Shoka:
12:30~19:00
ミナ ペルホネンの
大人服・子ども服・雑貨
minä perhonen