2013.05.23 piece, peace! 欠片のしあわせ

                        

*Calend Okinawaに連載していた田原あゆみの「暮らしの中の旅日記」から転載している過去の記録たち

Shoka

5月17日に、ミナ ペルホネンのデザイナーであり代表でもある皆川明さんのトークイベントを開催した。

その日の朝9時と、午後2時から2回のワークショップ「皆川明さんとミナ ペルホネンのハギレを使ったバッグを作ろう」の二つをこなした後のことだから、疲れないかと気になったのだけれど、本人は「全然大丈夫ですよ」とにっこり。

ワークショップでは、丁寧に解説し、参加者の方々とふれあい、驚くほど時間をかけてサインを書き上げてゆく姿をみて感動した人は多かったはず。

私もこの数日間皆川さんと過ごして、トークイベントの時に語っていた「関わる人に喜んでもらいたい」という思いが創業当時からぶれていないということがよくわかった。
自分の向き合っている時間に出来る精一杯のことを、淡々とこなす。
決して力一杯ではなく、等身大で向き合っているから周りにも自然にリラックス出来る空気が広がってゆくのだ。

 

Shoka

丁寧にゆっくりと話す皆川さん。

 

「ハギレたちをそのままの形で、どんな風に置こうかと無心に考えながら針を運ぶのが楽しいんです」

 

Shoka

え!?そのサインもあげちゃうの??

思わずそう思ってしまう程丁寧に、出し惜しみせずサインを描く皆川さん。

面白かったのは、たまにiphoneで自分の絵を撮っていたこと。

「たまに、自分でも新鮮に感じる絵のタッチが描けるので、そんな時には記録したくなるんです」

なるほど。

 

Shoka

 

どのサインもとてもかわいくて、素敵で、もらった方達の顔に喜びが広がってゆく。

 

Shoka

通常アパレル業界に置いて、洋服を作る時に余った布は、それがどのような素材であろうと捨てられてきた。

 

ミナ ペルホネンのお洋服を作った後に残ったハギレたちは、皆川さんがいつか製品にしようと大事にストックされてきた。

「捨てられることが当たり前だったハギレたちを、ファッションの最先端でもある青山にお店を構えることで、スポットを当てたかったんです」

そう言ってにっこりと微笑む皆川さんの言う通り、青山の piece, の店頭にはジュエリーケースのような什器の中にミナ ペルホネンのハギレを使って作られた小さな鳥の人形や、バッグやバッジ達がうれしそうに並んでいる。

ワークショップではこのしあわせなハギレたちを使って、世界に一つだけの自分オリジナルのバッグを作った。

Shoka

しあわせなハギレたちで作られたうさぎクッション。
やっぱりしあわせそうに、誰かとの出会いを待っている。

 

Shoka

3~4ヶ月のサイクルで価値が変動してゆく服の世界。
半年でセールにかけられて、セールで残ると税務上は資産になるので焼却処分となることもある。
流行の先端を意識して走り続けてきたファッション界で、セールをしない、ハギレを使い切る皆川さんのスタイルは少数派に属する。

 

私はずっとアパレル界のその使い捨て的な部分に違和感を感じていて、寂しいなと感じていました。
なので、piece, の事を知った時には、ぱっと世界が明るくなったような気がしたものです。

大事に生み出されて、最後まで使い切る。
欠片のしあわせは、全体の幸せ感の土台となっているのだと思います。

Shoka

今回皆川さん自身がひとつひとつ丁寧に15個ずつ80セットハギレを集めてくれました。
それがリネンの無地のバッグとセットになった「piece,バッグセット」が店頭に並んでいます。
価格はワークショップのときと同じく5250円。
自分だけのオリジナルのバッグを家で作ることが出来ます。

 

Shoka
Shoka
Shoka

どのセットもしあわせなハギレたちが、いつか誰かが作ってくれるバッグになってお外へ連れ出してもらえる日を待っています。

Shoka

お家の一つに刺繍をして喜んでいる友人。
うれしそうな笑顔。
バッグはもう出来たかな?

 

Shoka

男性だってやろうと思えば出来るんです。
「あんなに言われていたのに、バッグの裏まで針で縫っちゃって笑ったよ~。こんな風に仕事以外で無心になったのはほんと久しぶり。癒された~」

Shoka

Roguiiの美佳ちゃんが、ワークショップに合わせてこんなにかわいいクッキーを作ってくれました。
うちの実家の不思議な果実ジャボチカバで作ったジャムをサンドしたクッキーと、ミナ ペルホネンのテキスタイルを想像するような模様入りクッキー。

どれもおいしくて、心がこもっていて素敵でした。誰かに喜んでもらいたい。
そんな思いで作られたものたちが集まった空間。

 

そこからしあわせな空気は広がってゆくのです。

皆川さんの人に喜んでもらいたい思い
作り手たちのやりがい
最後まで使い切るということに対する誇り
大切にするという思い

 

プロダクトにこもったしあわせの記憶に触れて、手にした人にも笑顔が広がる。

Shoka

アーカイブのテキスタイルを取り入れて、日常着としてお家でお洗濯が出来るミナ ペルホネンランドリーのシリーズも入荷しています。

20年来の友人という二人に着てもらいました。
とても楽しそうに服を着た二人。
笑顔がとても自然で見ている私にも伝染します。

しあわせな記憶が梅雨の湿気に溶け込んで、雨になってそこら中に染み込んで、そのあと風に乗ってどこまでも広がってゆくといいな。

 

そんなことを激しい雨音を聞きながら思っています。

 

雨雨雨の沖縄ですが、その雨ののれんをくぐってShoka:へどうぞ。
ミナ ペルホネンのしあわせな欠片たちが、みなさんをもてなしてくれます。

Shoka

 

「piece, peace!」は26日(日)まで

 

////////////////////////////////////////////////////////////////////

終了したイベントです

Shoka

piece, peace!

 

 

 

ミナ ペルホネンのカケラを集めた10日間
2013.5/18~26  期間中無休

piece,bag や one mile bag・リメイクTシャツやうさぎクッション・Thank you very badge など.
ミナ ペルホネン ピース,ならではのアイテムたちが並びます。

 

Shoka

暮らしを楽しむものとこと
Shoka:

 

カテゴリー: etc, rugü essay タグ: , , パーマリンク

→ ブログの記事を一覧で見る