ガラス作家辻和美さんの大きな吹きガラスのピッチャーは一人では作れないので、専門の職人さんと二人がかりで作るのだそう。
りんごがたくさん入る大きさで、これをめがけてきた人たちがひるむようなサイズ。
雨宮さんが撮影したこの写真に惹かれて、会うのを楽しみにしていた私。
確かに大きなりんごを入れてもこんなに入るのですから、大きいんですよね。
辻和美さんのスケールの大きさや大胆さ、ずば抜けたセンス。そしてユーモアを感じる作品です。
ガラス作家辻和美さんの大きな吹きガラスのピッチャーは一人では作れないので、専門の職人さんと二人がかりで作るのだそう。
りんごがたくさん入る大きさで、これをめがけてきた人たちがひるむようなサイズ。
雨宮さんが撮影したこの写真に惹かれて、会うのを楽しみにしていた私。
確かに大きなりんごを入れてもこんなに入るのですから、大きいんですよね。
辻和美さんのスケールの大きさや大胆さ、ずば抜けたセンス。そしてユーモアを感じる作品です。
この3年の間、旅が決まるとtrippenの靴を買い足した。
2014年の10月にニューヨークへ行くことが決まった時、私は黒のヌバック仕上げのBOMを買った。以前から欲しかったのだけれど、人気がありあっという間に予約で埋まってしまいその年の春には買えなかったのだ。いつも私は余ったものを買うという習慣がある。先に買って履いたり着たりしていると、同じものが欲しいと言われた時に対応できないことが多々あるから。
その時にはとにかくBOMを履きたくて、グレーの表革は服に合わせやすいだろうと決めて、買って履いていた。なのでその履き心地の良さは知っていて、ニューヨークの街を歩くのにすごくいいだろうと思ったのだ。
BOMはclosedというシリーズの靴で、底が比較的厚くて重量感がある。手で持つと重く感じるのだけれど、履くとその重みが程良くて、安定感があるのが特長だ。
また、panのシリーズよりも、先が丸く仕上がっているのでサイズはやや大きめに感じることがある。ベルトを外して履くこともできるが、多少のだぶつきがあるので長距離を歩く時にはしっかりとベルトを締めた方がやはり歩きやすい。
シンプルなスリップオンの靴を履く時、私たちは足の甲で靴を持ち上げていることになる。足首にベルトやストラップが付いていると、二箇所で支えることになり一体感があり歩くのが楽になるし、疲れにくくなるのだ。
当時私はある出来事があって、体の中の空気を全部取り替えたいと願っていた。とにかく歩いて歩いて身体や心にたまったものを吹き飛ばしたかった。なので実際BOMの靴はこの旅に最適だった。
そうして訪れた秋のニューヨークを私はぐんぐん歩いた。
ウイリアムズバーグ橋を渡ってイーストビレッジへ。地下鉄に乗ってセントラルパークを歩きメトロポリタン美術館へ。規模の大きさに驚き、様々な時代と様々な国の文化に触れることのできる館中をためつすがめつ眺めながら歩く歩く。そのうち美術館収蔵品の多さと情報量に圧倒されて、容量ががいっぱいになってもう無理と、ふらふらとそこを出て、大きな木々が枝を広げる公園の道を深呼吸しながらまた歩く。立ち止まりたくはなかった。
ニューヨークの街のビルの合間を縫って、ぐんぐんぐん、路地や大通りをぐんぐんぐん。
とにかく歩いて歩いて、食べて、歩いて、飲んで、歩いて、歩いた思い出しかないくらいの旅だった。
路にもよく迷った。特に夜の街は危険で、地下鉄から出て右だったのか左に曲がるんだったのか、あまりに間違えすぎたので、正解が分からなくなってしまいさらに迷った。
暗いせいもあるけれど、方向音痴の人は思い込みが激しく頑固なので迷おうと思って迷うのではなく、自分は正しい路を進んでいるという感覚がその時にはある。ここだ!と確信して歩き出し、そして案の定また迷う。
その時に履いていた私のBOMの靴底は左側の黒い方。
前編でも書いたように、closedのシリーズは底がしっかりしていて、重みはあるがそれが安定感につながっているので、歩いても疲れにくく旅向きの靴だと思う。もちろんデザインも気に入っているので、出張の際や日常の中でも活躍している。
右側が2014年の春に買った表側のグレー。左の黒いのが2014年の秋に買ったものだ。よく見てみると、黒の方はニューヨークで大分歩いたので、グレーの底よりも多少擦れている。まだまだ十分歩けそうだ。
この靴を購入した際の反省点といえば、やはり欲しいものは我慢して待った方がいいかも、ということ。黒を買ったあと表革のグレーはあまり履かなくなってしまった。それは秋冬に黒が多くなる私のクローゼットの中身のせいかもしれない。
または去年の半ばから新しく借りている部屋に全身が映る鏡がなくて、コーディネートしずらかったせいもある。今はちゃんと鏡もあるので、履くようにしたい。そしてこのグレーの表革の性質やお手入れについても追求したい。
横から見るとこんな感じ。
私はなぜか表革よりもヌバックに惹かれる。ヌバックは表革を起毛させて仕上がっているので、光沢が抑えられていて、シルキーな起毛が上品。印象が柔らかくなる感じがするのがいい。裏革はもう少しワイルドでがっちりした印象なので、断然ヌバック派。
それもあってかどうしてもこの黒い方を頻繁に履いてしまう。
今度はいつこの靴を履いて旅に出ることになるのだろうか?私の靴好きは今回の記事を書いていて、自分でも観念した。大事に長く付き合いたい。
彼らは私たちの体を運ぶ家のような存在だ。面積の狭い二つの足の裏で全体重を運んでくれる足。その足が収まる彼らの家のような靴。私の足たちが喜んでくれるような靴を選ぼう。
そして、その足たちの家である靴たちを、ハウストレーラーと見立てて、心地の良い旅がしたい。足が心地いいと全身が軽い。身体が軽いと心も軽い。
心身ともに軽く爽やかな日常の旅。そんな靴に多くの人が出会えますように。
trippen!毎日を旅するように歩きたい
2015年4/17(fri)~5/6(thu)
12:30~19:00会期中火曜定休 ただし5月5日はGWのためオープンしています
trippen は靴作りの全行程まで目が行き渡るような生産体制を崩さず、一つ一つを手作業で丁寧に作り上げる職人たちの魂が生きている会社だ。人間工学に基づいてデザインされているので、履き心地が抜群にいい。修理体制も素晴らしく、靴が修理から帰ってくる度に、まるで生まれ変わったように整えられるのをみては感心している。
街歩きには軽く履き心地のいい cup のシリーズを。歩くことがメインの旅に出るなら、靴底がしっかりしている closed のシリーズをお勧めしたい。ヒールの靴も他のものとは全く履き心地が違う。今回のイベントでその感覚をお試しの上、自分の足に合った靴と出会うことを願っています。
今回はメンズも含め、たくさんの種類のtrippenのシューズを揃えました。他にもARTS&SCIENCEさのバッグや小物たちも揃えています。
この人に会うと、ついつい買ってしまう。そんな人がいませんか?
女性も男性も、老若男女を問わず、人間って本能的に綺麗なもの美しいものが好きなのだと思う。
さて、この一つ前のブログの記事に書いたように、4月の花冷えのみぞれがちらつく東京を一路西麻布へ。ユーモレスクの2015年の秋冬のコレクションを見るために。そしてユーモレスクのデザイナーの渡辺さんに会うことを楽しみに。
展示会場でいつも楽しみにしているお花。どこのブランドもその空間に生けてあるお花がそのコレクションを物語ってくれます。
渡辺さんの長い手とその指先の動き、照れ臭そうに笑うはにかんだ横顔。彼女から発する雰囲気がそのまま形になったような服のラインと素材。
私はそれまで普段着にカシミアを着るという選択をしたことがなかった。彼女から勧められて着てみたら、なんとも心地よく自分のために着るという感覚は何て素敵なんだろうと思った。自分をよく見せるために着るのではなく、自分の心地よさのために着るという事が、こんなに自分に喜ばれるとは思っていなかった。
今までも、着心地のいい服は着てきたつもりだけれど、誰かに見てもらうための演出というのが常に潜んでいた気がする。それも生活を楽しむ上で必要なスパイスの一つ、それも重要なものだということは知っているけれど、どこかで外に着ていく服と、自分をくつろがせるための服の間には境界線があった。
クローゼットの中には大きく分けると二つの世界。一つは外に着て行く外出着。もう一つは、汚れてもいい服と部屋着。ユーモレスクと出会ってから、その中間に位置する服が出現。それは、外と中が一つの服。自分の感覚を優先する服。外出から帰ってきても着替えなくていい服。もちろん寝巻きに着替えるまでだけれど。
そして、渡辺さんが着ている服を見ていると、つい私もその雰囲気を身に纏おうと、追いかけてしまうのだ。日本の秋と冬は沖縄の気候とは違う。沖縄では12月までコットンやリネンが主流。時折寒い北風が吹くと薄手のジャケットやカーディガンを羽織る程度。年が開けると少し寒くなるけれど、コートはなかな出番が少ない。
それでも、今回もまたカシミアのニットやウールのロングガウンを受注したのは、裏が付いていなくて風通しがの良い一重だったことと、彼女が可愛くって仕方がなくて、そのエッセンスをあやかりたくて仕入れたのでした。
ほらこの指先からも、彼女とユーモレスクのエッセンスが伝わってきませんか?
誰でも一度は聴いたことのあるこのメロディ。散歩をしながら、お仕事の時間でも、家事をしていても、旅行中でも、ふと軽やかにハナ歌を口ずさんでしまうときがある。そんな時に無意識に口ずさんでいる曲の一つ。楽しい気分を生活の中にいつの間にかもたらす。ユーモレスクはその名前の通り、そんなお洋服だと感じています。
春夏物のユーモレスクがShoka:には揃っています。
アンティークのレースをあしらったカーディガンは、ベージュ・ネィビー・ブラック。
3番目以降のボタンは飾りになっていてそれがジュエリーのようなアクセントになっています。
ユーモレスクのリネンのニットは本当に気持ちがいいのです。
さあ、これから私は17日から始まるtrippenの記事を書こうと思っています。今日は雨の沖縄、お部屋の中でユーモレスクのピアノの楽曲を聴きながら。
昨日開催した「巡時茶會」
この一年を振り返って、今この時の中に過去と未来が重なるような茶會になるよう名付けました。
一年という一つの周期を見ると、ある人は喜びに満ち溢れた年、またある人にとっては別れと胸の痛みが感覚の淵に常在したような一年、誰かにとっては始まりの年で、ある人にとっては停滞した一年であったかもしれない。
人によってその時の状態は異なるけれど、皆で茶を酌み交わし、胸を開いて語り合えば、集った人のすべての状態が一つになって、いつかの自分の姿をそれぞれの中に垣間見る。
共感しあうことで、様々な人生の景色が重なってゆく。
茶人の谷口ひろみさんの入れるお茶は、おおらかで優しく茶杯のように参加する人々をそっと受け止める。
彼女と旦那様の息のあった心地よい空気感が、くつろぎの場を包んでいるのを感じながらいただくお茶の香ばしさ。ほのかに広がる歯の甘み。
開きかけた菊の花の蕾のお茶は、身体の中に清涼な筋が通ったような気がした。
閉じていた蕾がゆっくりと花開いてゆく。
私たちの口もゆっくりと広がって、楽しい語りとお茶の滋味に舌鼓を打つ。
お茶のある景色のうつくしいこと。
一杯ごとにお花を浮かべて。
ひろみさんの所作がとても綺麗で、じっと見とれてしまう。
有緣千里来相逢
無縁対面不相逢
そのお茶会に合わせて、ひろみさんがみんなに教えてくださった中国の言葉。
「縁のある人は、どんなに離れていても出会うものだ。
縁のない人は、対面しても会うことはない」
今回のお茶会で出会う人々の縁を「茶縁」と呼ぶのだそう。
年末年始、家庭や友人たちとお茶をいただきながら、普段当たり前だと思っている縁の深さを改めて味わってみたい。
お店が終わった後、私たちが茶會を楽しめるようShoka:を切り盛りしたチームにもひろみさんがお茶を淹れてくれました。
あや 感嘆!
麻紀 うっとり
由桂 きらきら
*Shoka:は年内28日5時までの営業となります。明日23日は店休日です*