辻和美さんとその工房factory zoomerの作品は人気があると聞いています。本当にとても素敵ですね。
今回の企画展を開催することができるまでに7年の月日が流れています。企画展開催が決まったのが2017年の秋。金沢の和美さんの工房を訪問したり、彼女の人柄やお仕事ぶりに触れてますます好きになりました。
辻和美さんは企画展をする際にその土地に暮らす人々の暮らしに寄り添いたい、という気持ちが強い方。今回のShoka:の企画展のテーマを決めるときにも、沖縄の暮らしや季節についてたくさんお話をしました。また企画展の度に、そのショップのオーナーさんを通じてそこにいらっっしゃる方々のことを想像しながら制作のインスピレーションを得るのだそう。
日本海側の城下町金沢の季節の移り変わりや暮らしと、元は琉球王国で亜熱帯に近い沖縄の季節や暮らしは全く違うので、それを伝えるのにいくつも目からウロコが落ちたものです。
企画展が3月頭から始まるということで、1月から3月末くらいまでのは沖縄は「うりずん」という季節なのですよ、とお話をしたら辻さんはその響きや言葉の意味に感動されてそれをタイトルにすることにしたのです。
「うりずん」
天の滋養が満ちて、雨になって地を染める。「降り−うり」 「染む− そむ」それが一つになって、うりずんという季節の名前となっています。天の滋養を吸った植物たちが一斉に芽吹き、花開き、雨で現れた空気は清々しく潤いに満ちた美しい季節。
企画展初日には、うりずんの滋養を含んだ食べ物で、私たちの身体も天の滋養でいっぱいに充しましょう。ということをテーマに辻和美さんの器を使った食事会も開催しました。
さて、以上のことを踏まえてここから本題なのです。今回通販ができるかどうかの問い合わせをたくさんいただいています。
本当に皆さま辻さんの作品がお好きで、謙虚で素敵な方ばかりなのでお応えしたくとても考えてしまいました。地元の生活に寄り添うことをテーマに作られた作品だからなのです。
欲しい方がいたら通販でも販売できれば営業的には楽なのです。けれど、今回の作品たちはこのShoka:という場所で皆さんに触れていただくのが一番いいと思っています。沖縄があり、ここに生まれ育った私がいて、このShoka:という場所があり、縁があって辻さんと今回の企画展をすることに至りました。それが全部一つになって作品となっていると感じるからです。
特にうりずんの季節を思い制作された作品たちの色を見ていたら、地元に住む方はもちろん、遠方からこの場所に来ていただいた方にShoka:の場でゆっくりと過ごしていただいて、うりずんの季節のことに思いを馳せながら「urizom」という作品たちとこの空間、そして沖縄という土地を体験していただきたいのです。
利益を追うと、早い者勝ちでお渡ししたらいいと思うのですが、それでは私たちShoka:のメンバーがなぜこのお仕事をしているのかが見失われてしまいます。日常の暮らしを愉しむゆとりや豊かさを伝えたくてこのお仕事をしています。一番の贅沢は、心動くことに向かって行動し、五感も第六感も使って体験するということだと思っています。
なので今回「urizom」で展示いたしました、辻和美さんとfactry zoomerの作品たちはShoka:へ足を運んでくださった方に空間の空気も一緒にしてお譲りしたいと思っています。
沖縄は一県独立でマーケットも小さいので全部がすぐになくなる事はございません。ショートトリップでもものすごく気分が変わる独特な土地。湿度も高く暖かいので毛穴も心もオープンになるいい場所なのです。
なので焦らなくて大丈夫です。遠方の方もどうぞこの機会に、沖縄の一足早い春から初夏と、この季節の偏西風や植物の色が大好きで名前をShoka:(ショカ)にしたこの空間へどうぞいらしてください。
またこの選択に至る前に企画展終了後に残っているものがあればお譲りすることも可能です、とお伝えした方も数名いらっしゃると聞いています。本当に皆さま辻和美さんの作品がおすきなことが伝わって来ています。素敵な方ばかりで、お役に立ちたい気持ちは多々あれど、どうぞご理解いただけますようどうぞよろしくお願いいたします。
Shoka: オーナー田原あゆみ